投資信託には注意いただきたい事項があります。くわしくは「投資信託の注意事項」をご覧ください。
2020年12月25日
これは、日本が進める金融リテラシー向上の取り組みの1つですが、親世代の皆さんは驚かれるかもしれませんね。
どうして金融教育が注目されているのか、海外ではどのような金融教育をしているのかを知り、ご家庭でできることについて考えてみましょう。
金融教育が注目されるのはなぜ?
「金融教育元年」と位置付けられた2005年以来、政府は国民の金融リテラシー向上への取り組みを進めています。すでに子どもたちは、「消費者契約」や「家計管理」といったお金の基本知識を学校の授業で学んでいますが、2022年度からは、株式や債券、投資信託といった投資商品の基本についても学ぶ機会ができるのです。
2022年は、もう一つ大きな変化があります。それは、成年年齢が18歳に引き下げられること。これによって、高校を卒業する頃には保護者の同意なく投資商品やクレジットカードも契約できるようになるんです。
お金の使い方や貯め方、そして正しい投資の知識を身に付ける金融教育が、これまで以上に重要になってきそうですね。
海外ではどう教えている?
「子どもに投資のことを教えて大丈夫!?」と、少し不安に感じる人もいるかもしれませんが、海外では以前から金融教育が行われています。
いくつかの事例を見てみましょう。
<イギリス>
政府主導で金融や経済教育を主に行う「シチズンシップ」を中心に、すべての年代で金融教育が推進されています。
投資については、プログラムの最終段階である14~16歳にカリキュラムが組まれており、所得と支出、クレジットと借金、貯蓄と年金に加え、金融商品と金融サービスについて学びます。
また、現在は新ナショナル・カリキュラムによって、数学にも金融教育が盛り込まれており、利率の考え方や計算なども教わるそうです。
<アメリカ>
共通する教育課程が存在しないアメリカ。政府などの公的機関と非営利団体を中心とした多くの民間団体が連携し、金融教育が推進されています。
国民一人ひとりが「小さい頃から金融について学ばなければ」という意識を持っているため、多くの学校や家庭で、さまざまな無償のオンライン教育が活用されています。
たとえば中高生を対象とした株式投資シミュレーションゲーム「HowTheMarketWorks」は、仮想の2万5,000ドルを元手に、株式と投資信託に投資して資産運用を競うゲーム。公式サイトによると、年間40万人以上の個人や学生が教材を使っているそうです。
<オーストラリア>
小学5年生から高校1年生が「経済とビジネス」という教科で学び、高校2年生になると「経済学」として専門的に学びます。
ある代表的な教科書では、「金融経済教育」に関する全6章のうち、まるごと1章が「投資」に割かれているそう。授業では、新聞の株式市況欄やホームページなどを活用して実際の1,500社の株価変動や配当について調べるなど、かなり実践的な内容となっているそうです。
出典:「「海外における金融経済教育の調査・研究」報告書」(日本証券業協会)をもとに作成
子ども向けコンテンツをチェック!
実は日本でも、無償で使える金融教育教材があります。
ウェブで利用できる教材をいくつか見てみましょう。
小学生 | カネールのKIN☆YOUランド (金融庁) |
経済や金融の基本をクイズやかるたゲームで学べます。 |
---|---|---|
おかねのね (金融広報中央委員会 知るぽると) |
生活設計や家計管理、経済・金融のしくみ、金融トラブル防止などについて、学年段階別にクイズや漫画で学べます。 | |
中学生~高校生 | くらしに役立つマネークイズ (日本FP協会) |
生活に密着した身近な制度やお金に関することをクイズで学べます。アプリ版もあり、家族で手軽に楽しめます。 |
知っておきたいお金の話 (全国銀行協会) |
銀行の役割から金融商品の基本、ローンやクレジットカード、経済のことまで、漫画で楽しく学べます。 | |
小学生~大学生 | なるほど!東証経済教室 (東京証券取引所) |
株式会社の役割から株式取引のルールなど、株式市場を知るためのポイントや、ライフプラン、金融商品について、動画やコラムで学べます。 |
子どもには、自分の責任で、自分に合う資産形成を考えられる大人になって欲しいもの。
お金のやりくりや貯蓄の大切さなどから少しずつ、子どもに伝えていきたいですね。
ちなみに、2020年に大ブームとなったゲーム「あつまれ どうぶつの森」にも、金融教育教材の要素があるんです。たぬきバンクという銀行で預金をすれば、利息がつくことがわかりますし、野菜のカブを売り買いすれば、株の勉強にもなります。
親子で楽しく遊びながら、プラスαの金融知識を伝えてあげられると良いですね。
金融教育の一番の教室は、実は「家庭」なのかもしれません。小さいお子さんであれば、「お買い物」や「お手伝い」などの場面で実際にお金を使ったり、時にはゲームや教材を利用して一緒に楽しんだりしながら、金融教育にチャレンジしてみませんか。
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