2021年05月31日

シリーズ05「ESG投資を身近に考える」 世界の幸福度はESGと関係する① シリーズ05「ESG投資を身近に考える」 世界の幸福度はESGと関係する①

2021年3月19日に「世界幸福度ランキング(2021年版)」が国連より発表された。
毎年のことであるが、上位には北欧地域の国が並ぶ。日本は56位と先進国の中では下位であり、G7では最下位である。
このシリーズでは全3回にわたり、ESGに関連するさまざまなランキングを見ながら、日本の幸福度が低い原因を探っていきたいと思う。

「世界幸福度ランキング」のスコアは、主として次の6項目に鑑みて算出される。

  1. 人口あたりGDP(対数)
  2. 社会的支援(ソーシャルサポート、困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
  3. 健康寿命
  4. 人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
  5. 寛容さ・気前の良さ(過去1カ月の間にチャリティなどに寄付をしたことがあるか)
  6. 腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗がまん延していないか)

正直、北欧の幸福度は上位で、日本の幸福度は下位である明確な理由はピンとこない。かといって、日本が世界各国と比べて幸福だといえる明確な自信もない。ただ、筆者のように投資に携わる者としては、国民の幸福度が低い国や企業への投資は、長期投資対象としてはややネガティブに考えてしまう。昨今、長期投資の基準として注目されるESG(環境・社会・ガバナンス)の充実度・スコアランキングと類似しているものがあるからだ。

2021年3月31日に世界経済フォーラムより発表された、世界各国の男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数2021年版」を見てみよう。この指数は、4つの分野のデータ(経済、教育、医療へのアクセス、政治参加)を基に、1を完全な平等状態としてスコア化したものだ。
日本は156カ国中120位であり、世界、特に上位を占める北欧とは大きな差があることがわかる。

日本企業は、女性の管理職割合や役員数は世界と比べてかなり低いといわれているし、男女間の賃金格差も大きい。さらに育児休暇取得率では、女性が83.0%に対し男性はわずか7.48%。男性はそのうち6割近くが5日未満と、極めて短期間だ。
※厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」(令和2年7月)

もし、日本の人口のおおよそ半分を占める女性が幸福感や平等を感じていないとすれば、経済の長期発展性が低いのは当然ともいえる。国や企業においては、社会(S)に関する問題に対応できているかそうでないかによって、将来の発展性、持続性に大きな差がついていくものと思われる。

オリックス銀行株式会社
役員補佐
資産運用営業部 部長
ESG投資アドバイザー

1990年代半ばより15年以上にわたりファンドマネージャーとして年金等の資産を運用。
ESG投資のグローバルリーダーであるオランダの投資顧問会社ロベコのInvestment Officerを経て、2015年より現職。オリックス銀行の投資信託事業にてESG投資に優れたファンドの選別に従事する。

コラムに関する注意事項

本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的とするものではありません。
当社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づきますが、その正確性や確実性を保証するものではありません。
外部有識者の方にも本コラムを執筆いただいていますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。
本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。

eダイレクト預金口座をお持ちでない方

eダイレクト預金口座開設

投資信託のお申し込みには、eダイレクト預金口座が必要です。

eダイレクト預金口座をお持ちの方

投資信託口座開設および
ご利用開始までのお手続き