ESG投資で利益を目指す

2018年09月03日

ESGインテグレーション:ESGを投資プロセスに統合

今回のコラムは、最近日本でも話題となっているESG投資、その中でも投資プロセスにESGの要素を統合して利益との両立を目指す「ESGインテグレーション」についてです。
まずESG投資をおさらいしていきましょう。
ESG投資とは、従来の財務情報に非財務情報であり企業の持続的成長に有効なESGの要素を考慮して投資をしていく方法で、主に長期投資に有効な手法です。

ESG投資は欧州の年金等機関投資家を中心に広がり、いまやなんらかの形でESGが考慮されているという、その投資額は2016年現在、全世界で2500兆円、全投資額の1/4を占めるといわれています。
具体的にESG投資の種類は主に次の4つです

1.ネガティブスクリーニング
武器、ギャンブル、たばこ、アルコール、原子力発電、ポルノなど、 倫理的でないと定義される特定の業界に属する企業を投資先から除外

2. ポジティブスクリーニング(インデックス)
同種の業界の中でESG関連の評価が最も高い企業に投資する戦略

3. テーマ投資
ESGに関する特定のテーマを設定し、それに関する企業の株式や債券に投資する。
例としては「再生可能エネルギー」「Co2削減」「女性活躍応援」「バイオテクノロジー」「水資源」「社会貢献」「地球温暖化対策」

4. ESGインテグレーション
従来考慮してきた財務情報に加え非財務情報を投資先選定の過程に統合する投資戦略。
年金や保険等の機関投資家が長期投資をする上で安定したリターンを目指す

ESG投資は、「株価・社債価格、あるいはファンドの利益につながるのか」という課題があります。
日本でも10年前に環境をテーマとした「エコファンド」がブームになりましたが、高コストが中心の投資信託、「短期テーマ型集中投資」になじまず、その後のリーマンショック等市場の悪化もあり、「利益につながるのか」という課題には答えをだせませんでした。

それから10年近くがたち、今またESG投資が注目されていますが、「利益につながるのか」という問いに対して答えを出すのは、まず短期テーマや集中投資ではなく長期分散投資を前提とした欧州の機関投資家を中心に採用する「ESGインテグレーション」が最も効率的な投資方法であるといわれております。

これは従来の財務分析等の投資プロセスにESGの要素を統合することで、企業の収益性と持続的成長が見込める企業に長期投資するというやり方です。

株式市場においては、実際に、ESGのスコアが高い企業は長期的に見て、市場平均を上回っているというデータもあります。

株式だけでなく、債券投資にもESGインテグレーションは必要です。

例えば「オリックス 世界社債アクティブファンド(為替ヘッジあり)」を例に見てみましょう。
投資・調査プロセスとしてクレジット市場そのものの魅力度を評価するトップダウンアプローチに加えて、ボトムアップアプローチである個別の発行体の選別、企業の信用分析である「企業戦略」「財務状況」「企業構造、財務制限条項」「事業の状況」に加えて、「ESGファクターの統合」という要素を投資プロセスに統合しています。この観点は発行体である企業の「負け組を避ける」という企業の持続性に「ESGでの観点」が欠かせないポイントであり、直接的なパフォーマンスにつながる部分と言えます。

ボトムアップアプローチにおける
5つのポイント

2018年4月20日に公表された、世界銀行グループとGPIFによる新たな報告書においても、ESGの要素を債券投資の運用プロセスに統合することが、リスク管理の強化につながり、より安定した投資リターンに貢献し得ると指摘しています。

投資プロセスという意味では、単なる個別企業分析のみではなく、ポートフォリオ構築においても課題があります。ESGスコアには、例えば「欧州が高い」「大企業が高い」「情報開示に積極的な企業が高い」といったバイアスがあり、業種別にも偏りがあることが指摘されています。単純にスコアが高い順に並べるようなインデックス投資では「欧州の大企業の特定の業種」に偏ってしまうことも考えられ、このあたりは同じESG投資でも運用会社のノウハウにおいてパフォーマンスに差が出るものと考えられます。

いずれにせよ、企業の長期持続的成長に欠かせないESG投資が、10年前のような短期テーマ中心や一過性のブームで終わらないためには、プロの機関投資家が採用するように従来の投資プロセスにESGの要素を統合する「ESGインテグレーション」を実践し、しっかりと実績をあげているファンドに長期投資をしていくことが重要になってくると思われます。

ご参考:ESG項目の例
E:環境
環境に配慮した製品管理、環境への配慮及び活動、汚染防止、Co2削減、持続可能性資源の利用、自然保護

S:社会性
雇用労働条件、職場の安全性確保、ハラスメント防止、人権への配慮、差別排除、汚職防止、知的財産の尊重、公正な競争/マーケティング、消費者からの苦情対応等、持続可能な消費、消費者の安全衛生の確保、個人情報保護、コミュニティへの参画、教育文化活動、雇用創出

G:ガバナンス
法令遵守、コンプライアンス態勢、内部統制、リスクマネジメント、事業継続プラン、バリューチェーン/サプライチェーン管理、情報開示、グループ会社ガバナンス、経営の透明性確保、外部監査

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