投資信託にはご注意いただきたい事項があります。くわしくは「投資信託の注意事項」をご覧ください。
- 掲載日
- 2022.6.22
先人から学ぶ投資信託
どんな種類を何本くらい保有?
Writer
株式会社ZUU

プロに運用を任せるタイプの金融商品である「投資信託」は、運用に関する情報を運用報告(月次レポート)から得ることができる。自ら情報収集し分析をするなどといった深い知識がなくても取り組める便利な存在だ。投資信託にはさまざまな種類があり、どれを選んでいいか分からない人も少なくない。実際、日本人はどのような投資信託を最も多く保有しているのだろうか。
投資信託協会によるアンケート調査
日本人が保有している投資信託の種類を調べている調査報告書がある。一般社団法人「投資信託協会」が毎年発表している「投資信託に関するアンケート調査報告書」だ。その2021年版のデータを参照してみよう。
2021年版の調査は2021年11月に、20~79歳の男女を対象にインターネット形式で行われた。サンプル数は2万で、投資信託を保有している人や現在は保有していないが過去に保有していたことがある人、保有したことがない人などさまざまだ。
この中から現在投資信託を保有している人に対して、投資信託の種類を重複回答で質問している。その結果は以下の通りだ。2020年版と2019年版の調査結果とともに紹介しよう。
投資信託の種類 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|
外国株式投資信託 | 37.2% | 43.6% | 53.9% |
国内株式投資信託 | 58.1% | 54.4% | 50.2% |
分散型投資信託 | 27.8% | 25.6% | 22.8% |
国内債券投資信託 | 19.6% | 18.4% | 15.1% |
外国債券投資信託 | 20.1% | 17.7% | 14.9% |
ETF(上場投資信託) | 8.5% | 9.5% | 11.6% |
国内の不動産投信に投資する投資信託 | 15.5% | 12.4% | 9.8% |
外国の不動産投信に投資する投資信託 | 10.9% | 9.2% | 7.8% |
国内不動産投信(Jリート) | 6.8% | 5.8% | 5.4% |
その他 | 0.5% | 0.4% | 0.6% |
出典:投資信託協会
2021年は「外国株式投資信託」が逆転1位
2021年版の調査で最も多く保有されていた投資信託は「外国株式投資信託」で53.9%だった。
2020年版では1位が「国内株式投資信託」で、2位が外国株式投資信託だった。しかし、2021年版では国内株式投資信託の保有者の比率が下がった一方、外国株式投資信託の保有者の比率が上がったことで、順位が逆転した。
3番目に多かったのが「分散型投資信託」だ。分散型投資信託は、国内や海外の株式や債券など、さまざまな投資商品を組み合わせて運用するタイプの投資信託だ。投資対象を分散させる分、リスクを抑えやすいという特徴がある。
債券で運用する投資信託の保有者は減っている。「国内債券投資信託」の保有者の比率はこの3年で19.6%→18.4%→15.1%と右肩下がりだ。「外国債券投資信託」の保有者の比率も、20.1%→17.7%→14.9%と年々減っている。
そのほかにもさまざまなデータを集計
投資信託に関するアンケート調査報告書ではこのほかにも、投資信託に関するさまざまなデータが集計・紹介されている。
投資信託の平均保有種類数と保有本数は?
投資信託の平均保有種類数は直近3年で、2.25種類→2.17種類→2.09種類と減少傾向にある。
平均保有本数は3.6本→3.6本→3.7本と、ほぼ横ばい。ちなみに2021年版調査では「1~2本」が全体の45.3%、「3~5本」が33.2%、「6~10本」が11.1%、「11本以上」が4.9%となっている。
投資信託での積立投資、世代別の割合は?
投資信託を保有している人の中で、投資信託で積立投資を行っている人がどのくらいの割合かも調べている。積立投資は投資時期を分散させることで、リスクを抑えつつリターンを狙えるといった特徴がある投資手法で、投資信託で資産運用をする際にも使える。
調査の結果、世代別では「20代」が80.9%、「30代」が80.1%、「40代」が72.5%、「50代」が62.8%、「60代」が46.2%、「70代」が35.0%となっている。若い世代ほど、投資信託で積立投資を行っている人の割合が高い。この傾向は以前と変わらない。
投資信託を保有していない理由は?
調査では、投資信託を保有していない人に対し、その理由も聞いているので、最後に紹介しよう。
2021年版調査では「投資の知識がない」が39.9%で最も高くなっている。それに次ぐのが「そもそも興味がない」が36.8%、「損をしそうで怖い」が30.5%、「まとまった資金がない」という人が23.3%いた。
資産運用で老後に備えるという視点
資産運用は将来の資産を増やすために行うものだ。うまく資産を増やせれば老後の生活が楽になる。老後の生活資金の不足に関する「老後2,000万円問題」が日本で波紋を広げてから、資産運用に興味を持つ人が増えていると考えられる。
投資にはリスクが伴うため、資産運用を始める際には他の人がどのような方法で資産運用をしているのか、どのような投資信託を保有しているのか、といったデータを参考にしながら、資産運用の計画を立てるようにしたい。
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株式会社ZUU
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