コラム

投資信託にはご注意いただきたい事項があります。くわしくは「投資信託の注意事項」をご覧ください。

掲載日
2022.5.7

家計における「投資信託」の割合が急増?
その理由とは?

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

日本銀行(日銀)が日本国民の家計について調べている「資金循環統計」の最新の調査結果において、家計における「投資信託」の残高が前年に比べて大幅に上昇していることが判明した。増加の理由は何か。データを参照しながら考察していこう。

2021年第4四半期の最新データを参照

資金循環統計は四半期(=3ヵ月)ごとに発表されている。最新のデータは2021年第4四半期(2021年10~12月)を対象にしたものだ。

資金循環統計では、家計の金融資産残高の内訳が紹介されている。そのデータを見れば、家計において現金・預金や債務証券(債券)、投資信託、株式などの残高がどのように推移しているのかを確認できる。

以下は、それぞれの残高の前年比の増減をパーセンテージで示した表になっている。

<家計の金融資産の前年比の推移>
項目 2020/3 2020/6 2020/9 2020/12 2021/3 2021/6 2021/9 2021/12
現金・預金 2.1% 4.1% 5.0% 4.9% 5.7% 4.0% 3.7% 3.3%
債務証券(債券) 5.4% 5.1% 2.2% 2.0% 0.1% 0.8% 2.7% ▲2.7%
投資信託 ▲11.2% ▲1.5% 2.5% 5.9% 33.9% 28.3% 23.8% 20.4%
株式など ▲22.4% ▲11.9% ▲9.2% ▲5.0% 42.6% 29.8% 28.1% 15.5%
保険・年金・定型保証 ▲0.3% 0.6% 0.8% 0.9% 2.2% 1.5% 1.1% 1.0%
その他 ▲1.4% ▲2.0% ▲2.7% ▲5.1% ▲2.7% 2.1% ▲4.9% 5.3%

出典:日本銀行「2021年第4四半期の資金循環(速報)参考図表」

(「2020/3」は2020年3月末時点のデータを示す/▲は前年比減を示す)

2021年12月末時点のデータだけを見ると、前年比で最も増加率が高かった残高が「投資信託」で20.4%増となっている。次いで「株式など」が15.5%増だ。

「現金・預金」は3.3%増、「保険・年金・定型保証」は1.0%増で、唯一「債務証券」だけは2.7%減と前年比で減っている。

家計資産に占める投資信託の割合は?

なお資金循環統計では、家計資産に占める投資信託などの割合についても公表している。2021年12月末時点では、「現金・預金」が54.0%で最も高く、「保険・年金・定型保証」が26.7%、「株式など」が10.5%、「投資信託」が4.7%、「債務証券」が1.3%の順だ。

なぜ投資信託の残高が増えたのか?

ここまで示したデータで、投資信託は家計資産に占める割合が低いものの、残高の前年比の増減率ではトップであることが分かっていただけたかと思う。では、どうしてこのような結果となったのか。

すぐ思い浮かぶのは、「投資信託を保有する人が増えた」という回答だろう。確かにその見方は正しい。一般社団法人「投資信託協会」の調べでは、投資信託を「現在保有している」と回答した人の割合は、2019年は22.3%、2020年は23.4%、2021年は27.9%と、年を追うごとに増えている。

<投資信託の保有状況の推移>
回答 2021年 2020年 2019年
現在保有している 27.9% 23.4% 22.3%
以前保有していたが、現在は保有していない 8.7% 9.8% 10.0%
今まで保有したことがない 63.4% 66.9% 67.8%

出典:投資信託協会『2021年(令和3年)投資信託に関するアンケート調査 調査結果サマリー』

しかし理由はそれだけではない。そもそも投資信託とは、株式や債券などの運用をプロに任せるタイプの金融商品であり、2020年末から2021年末にかけて世界的な株高が続いたことも、投資信託の残高が増えたことに影響している。

2021年の世界的な株高も影響

例えば、アメリカの主要な株価指数である「S&P 500指数」や「ナスダック100指数」は、ともに2021年に約27%上昇した。日本の株価指数はアメリカの株価指数ほどではないものの、2021年は「日経平均株価」も年間で約5%上昇した。

投資信託の中には、S&P500やナスダック100、そして日経平均株価のリターンと連動しているものも多い。そのためこうした世界的な株高が、家計資産に占める投資信託の残高を増やす要因のひとつになったというわけだ。

2022年の株式相場は悲観的 投資信託の残高はどうなる?

まとめると、2021年12月末時点で家計資産における投資信託の残高が増えたのは、投資信託を保有する人が増えたことと、世界的な株高が起きたことが主な理由だ。では今年、2022年12月末時点では、投資信託の残高は増えるだろうか。

もちろん正確な予測は不可能だが、2022年はロシア・ウクライナ情勢の悪化や世界的なインフレ、そして欧米で金融引き締めによる利上げが始まったことで、株式相場の大幅な下落に対する懸念が大きい。

参考までに、すでに2022年1~3月でS&P500は年初来で5.55%下落している。いずれにせよ、今後も引き続き資金循環統計の結果に注目していきたい。

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株式会社ZUU

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