コラム
掲載日
2022.4.17

「政策金利」って何? 今年の経済・金融ニュースの理解に必須

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

新聞やニュースでは「政策金利」という言葉が出てくるが、住宅ローンなどの金利とどう違うのだろうか。

今回は、経済・金融ニュースを理解する上で重要なキーワードである政策金利と、物価や景気、投資などの関係について解説する。

政策金利とは?

政策金利とは、各国の中央銀行が景気や物価の安定を図るために行う金融政策のひとつである、短期金利(誘導目標金利)のことだ。

中央銀行は政策金利に基づいて市中銀行に貸付を行い、景気や物価の変動に応じて政策金利を上げたり下げたりする。

ちなみに、景気を刺激するために行われる「金融緩和」と、景気の過熱を抑制するために行われる「金融引き締め」がある。

政策金利はどのような影響を与える?

政策金利の変動は、金融機関の預金金利や貸出金利から投資市場、ビジネス、消費まで広範囲に影響を及ぼす。特に米国の政策金利動向は、世界経済から資産価格まで広範囲に影響を与える重要な指標として注目されている。

政策金利が上昇すると中央銀行からの借入コストが上がるため、金融機関は個人や企業への融資の金利を引き上げる。すると借入や消費が抑えられ、経済活動が抑制される。これにより、景気過熱によるインフレ(物価上昇)を抑える効果が期待できる。

一方、政策金利が低下すると金融機関は低い金利で中央銀行から借入ができるため、個人や企業への融資の金利も下がる。社債の金利も低下するため、企業は資金を調達しやすくなり、個人も住宅や車などの購入資金を借りやすくなる。すると経済活動が活発になり、物価と景気に押し上げ圧力がかかる。

金利が上がると株価が下がりやすいのは、「融資の金利が上がる=企業の業績悪化の要因になる」と投資家が考えるからだ。

金利政策は為替相場にも影響する。例えば、米国の金利が上がると米ドルが買われるので、円安ドル高に傾く。そうなると日本から米国への輸出には有利だが、米国から日本への輸入ではコストが上昇する。

コロナ禍で世界的に利上げ基調

1990年代前半に日本で起こった日本のバブル崩壊や、2008年のリーマンショックを発端とした世界金融危機以降、日本や欧米では超低金利政策と量的緩和政策が長期化している。そこに新型コロナウイルスが追い打ちをかけた。

原油価格の高騰やコロナ禍の供給・人手不足、景気刺激策などを背景に世界的なインフレが加速している今、欧米やカナダ、韓国など多くの国が利上げ基調に転じている。

極端な例を挙げると、ウクライナ侵攻で自国通貨ルーブルが暴落したロシアでは、約20年ぶりに政策金利が20%台に引き上げられた。2ヵ月連続で利上げを行ったアルゼンチンでは、政策金利が42.5%に達している。

一方、4ヵ月間で政策金利を19%から14%に引き下げるという、異例の金融政策に踏み切ったトルコのような国もある。

米国・欧州・日本の政策金利

ここからは、コロナ禍で経済回復を目指す米国、欧州、日本の政策金利の動向を見てみよう。

米国 年内に数回の利上げ実施?

2021年12月の消費者物価指数(CPI)は前年比7.0%と、第2次石油危機以来の歴史的なインフレを記録した米国では、金融引き締めが予想されている。

FRB(米連邦準備理事会)は対コロナショックとして実施していた量的金融緩和を打ち切り、2022年3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利を0.25%引き上げた。さらに、年内に向けて数回の利上げが実施されるとの見方が強い。「2023年末までに2.125%に達する可能性がある」と、FRB幹部のうち3人が予想している。

欧州ゼロ金利据え置き 英国は2回連続で利上げ実施

欧州中央銀行(ECB)は引き続きゼロ金利政策を維持しているが、米国と同じくインフレ懸念から政策変更を余儀なくされるだろう。ユーロ圏19ヵ国の2021年12月のインフレ率は過去最高で、前年同月比5.0%を記録した。

英国は2021年12月の消費者物価指数が前年同月比で5.4%上昇と、30年ぶりの高水準となり、イングランド銀行が2021年12月、2022年2月と2回連続で金利を0.5%まで引き上げた。

日本 2023年についに利上げ?

日本は1995年に日銀が政策金利を1.75%から1.0%、さらに0.5%に引き下げ、1999年から2000年までゼロ金利政策を実施した。2016年以降は経済活性化とデフレ脱却を目指し、マイナス金利を導入している。

日本の2021年12月のCPIは前年同月比0.5%と、欧米とは比べものにならないほど上昇が小幅だが、欧米の利上げが飛び火し、2023年春以降は日本も金融引き締めに転じる可能性がある。

政策金利を注視し、経済の先行きを予想する

このように世界の政策金利は定期的に見直され、各国の状況に応じて変動している。各国、ひいては世界全体の状況を把握し、経済の先行きを予想する上で、政策金利は重要な指標になる。

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株式会社ZUU

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