コラム

投資信託にはご注意いただきたい事項があります。くわしくは「投資信託の注意事項」をご覧ください。

掲載日
2022.4.16

初心者が失敗しがちな投資信託の選び方と投資方法

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

これから投資を始めたいと考えている方の中には、「初心者には投資信託がおすすめ」という意見を聞いたことがあるはずだ。しかし「投資信託」とは一体どんなものなのだろうか、また始めるにはどのような点に留意すべきなのだろうか。

投資信託とは

投資信託とは、不特定多数の投資家から集めた資金を「ファンドマネージャー」と呼ばれる投資のプロが運用するものである。ファンドマネージャーはあらかじめ定められた運用方針に従って債券や株式などの複数の投資商品を選んで購入し、運用していく。

運用によって利益が出た場合、投資家には投資額に応じた分配金が支払われる。また、その投資信託の価値が上がったタイミングで解約・売却し、売却益を得ることも可能だ。

多くの投資家から資金を集めるため、一人ひとりは少額から投資することができる。証券会社によっては、100円からスタートできる商品や、ポイントカードのポイントを使って購入できる商品を扱っているところもある。

運用に関する深い知識がなくても行えること、運用をプロに任せられること、少額から始められることなどから、初心者に向いている投資方法とされている。

投資信託の種類

投資信託には、大きく分けて「公社債投資信託」と「株式投資信託」の2種類がある。公社債投資信託は株式を全く組み入れず、国債や社債などの債券を中心に運用するものだ。株式投資信託はその逆で、株式を組み入れて運用できる投資信託を指す。

公社債投資信託は元本割れを起こす可能性が非常に低い一方で、収益性はそれほど高くない。株式投資信託は株式を組み入れることが「できる」ものであり、実際に株式を含めないものの中にも、株式投資信託に分類される商品がある。

また、一般社団法人 投資信託協会は、購入できる時期や投資対象地域、投資対象資産などによって、投資信託を以下のように区分している。これらの区分は、投資信託の説明書として商品の購入時に渡される「目論見書」の表紙などに記載されている。

○購入できる時期による区分

単位型:運用が始まる前の募集期間中だけ購入できるもの
追加型:運用期間中、いつでも購入できるもの

○投資対象地域による区分

国内:主に日本国内で投資収益が出る商品
海外:主に海外で投資収益が出る商品
内外:主に国内および海外で投資収益が出る商品

○投資対象資産による区分

株式:投資収益が株式を源泉としている商品
債券:投資収益が債券を源泉としている商品
不動産投信(REIT):投資収益が不動産投資信託および不動産投資法人を源泉としている商品
その他資産:投資収益が上記以外の資産を源泉としている商品
資産複合:投資収益が上記の複数の資産を源泉としている商品

○独立区分

MMF:「Money Management Fund」の略。国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する公社債投資信託。毎日、決算を行う。
MRF:「Money Reserve Fund」の略。安全性の高い国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する公社債投資信託。毎日、決算を行う。
ETF:「Exchange Traded Funds」の略で、「上場投資信託」と日本語に訳される。証券取引所に上場されており、日経平均株価や東証株価指数などの指標に連動するように運用される。

○補足分類

インデックス型:日経平均株価や東証株価指数などの各種指標に連動する運用成果を目指すもの
特殊型:投資者に対する注意喚起が必要となる、特殊な仕組みや運用方法を用いるもの

投資信託は何に投資するのか

区分の中でも少し触れているが、投資信託は主に国内外の債券、株式、不動産投資信託(REIT)を投資対象としている。投資対象地域と投資対象資産を取りまとめると、以下のように分類することができる。

  国内 海外
債券 国内債券型
(主に日本の債券に投資)
海外債券型
(主に海外の債券に投資)
株式 国内株式型
(主に日本の株式に投資)
海外株式型
(主に海外の株式に投資)
不動産投資信託
(REIT)
国内不動産投資信託
(主に日本の不動産投資信託に投資)
海外不動産投資信託
(主に海外の不動産投資信託に投資)
その他 上記以外のものに投資

債券とは、国や地方公共団体、企業などが一般の投資家から資金を調達するために発行する有価証券だ。国が発行する「国債」、地方公共団体が発行する「地方債」、企業が発行する「社債」などがある。債券ごとに利率や利払日、償還日が定められており、利払日には利率に応じた利子が支払われ、償還日には元本が満額支払われる。ただし発行体の破綻や経営の悪化によって元本割れを起こしたり、利息の支払いが遅れたりすることもある。

株式は企業が事業に必要な資金を集めるために発行する証券を指す。出資者は株主となって企業の経営に参加することができ、その企業に利益が出た場合には、保有する株数に応じて配当を受け取ることが可能だ。配当は必ず出るものではなく、企業の業績が悪化した場合や方針によって配当がないこともある。

不動産投資信託(REIT)は、多数の投資家から集めた資金で不動産を購入し、運用する投資商品のことだ。家賃収入や不動産の売買などで得た利益が投資家に分配される。

これらの投資商品には日本国内のものと海外のものがある。海外の投資商品については、欧米の先進国をはじめ、アジアやアフリカ、中南米などの新興国も投資対象となっている。また、その他の対象には石油や貴金属などが挙げられる。

初心者が損する投資信託の選び方

投資信託ではファンドマネージャーがこれらに投資し運用するため、初心者でも取り組みやすいといわれているが、必ず利益を得られるわけではない。そもそも元本保証がないため損失が出てしまうことがあるほか、商品の選び方や使い方を間違えることで損を出してしまうこともある。

ここからは、初心者が損をしやすい投資信託の選び方、使い方を紹介していこう。

投資商品の詳細をよく調べない

初心者が始めやすいからといって、投資信託のことをあまり調べずに始めてしまうのは危険だ。投資信託は様々な投資商品に分散して投資するもので、投資先の地域や資産によってリスクは異なる。それぞれの特徴や、どんなリスクがあるのかを事前に把握せずに購入すると、思わぬ失敗に繋がってしまうため注意しよう。

手数料が高い銘柄を選んでしまう

投資信託には様々な手数料がかかる。購入時には「購入時手数料」が発生するケースがあるほか、運用中は運用会社への手数料として「信託報酬」を支払う。また、投資信託を途中で解約し、換金する際には「信託財産留保額」が差し引かれる。こうした手数料の割合は銘柄によって異なり、高いものを選ぶと、収益との差し引きでマイナスになってしまう可能性もある。

実際に投資信託の購入時手数料は3%前後、信託報酬は0.1%~3%前後、信託財産留保額は0.5%前後に設定されていることが多い。中には販売手数料がかからない「ノーロード」と呼ばれる銘柄や、信託財産留保額が不要の銘柄もある。

ハイリスク・ハイリターンな銘柄を選んでしまう

リターンは運用によって生じる利益、リスクはその振れ幅を指す。リスクが小さいものはリターンも小さく、リスクが大きいものはリターンも大きくなる場合が多い。投資初心者はついつい大きな利益が出る可能性のあるハイリスク・ハイリターンの銘柄を狙いがちだが、そうした銘柄は損失が出る可能性が高く、しかもその損失が大きくなる可能性もある。

分散投資できていない

投資の基本は複数の投資商品を購入する「分散投資」である。例えば1つの銘柄に手元の資金をすべて注ぎ込んだ場合、その企業の業績が悪化すると損失だけが生まれ、倒産してしまうと株式の価値はゼロになってしまう。こうした事態を避けるために、資金をいくつかの投資商品に分散しなければならない。

株式中心の投資信託でも様々な業界の企業の株式に投資しているもの、株式や債券、不動産投資信託など様々な商品が満遍なく含まれているものなど、広く分散投資できているかどうかを確認する必要がある。

初心者が失敗する投資方法

初心者がやりがちな投資信託の選び方を学んだうえで、ここからは投資方法について解説する。失敗しやすいポイントをまとめているため、投資信託を始める前に必ずチェックしておこう。

投資に戦略がない

投資信託には、中・長期的な運用で安定的な収益獲得を目指す「コア部分」と、高いリターンを目指して積極的に運用する「サテライト」部分を分けて考える「コア・サテライト投資戦略」というものがある。コアは「守り」、サテライトは「攻め」の戦略になるのだが、このバランスを考えずに銘柄を選ぶと、不安定な運用になったり、あまり利益が出なかったりという事態に陥る。

また、何のために投資するのか、目標金額をいくらに設定するのかを明確にしたほうがいい。マイホーム購入の頭金を貯めるため、子どもの大学入学資金のため、老後資金のためなど、投資の目的と目標金額が定まれば、おのずと運用期間や収益の目安も決まり、それに適した銘柄も見えてくるだろう。

頻繁に売買してしまう

保有する投資信託の価値が上昇すると、高値がついているうちに途中解約・売却して売却益を得たいと考えがちになる。上述したように、途中解約には「信託財産留保額」がかかり、その資金を元手にして別の銘柄を買おうとすると、購入時手数料がかかるといったこともある。売買を頻繁に繰り返すとその都度、手数料を支払うことになり、結果的に利益の総額が少なくなってしまう可能性がある。

リターンが出る前に売ってしまう

運用中に損失が出ると「被害が大きくならないうちに売ってしまおう」と考えて手放してしまうこともあるだろう。投資信託は長期間、運用することでリスクの振れ幅が小さくなるため、長い目で見て運用するものだ。

積立金額が大きくて生活が苦しくなる

投資信託の中には、毎月、決まった額を積み立てて運用する「積立投信」というものがある。少額から投資できるものだが、欲を出して大きな金額で積み立てをスタートすると、毎月の支出で徐々に家計に負担がかかる可能性がある。

投資は、生活費の半年から1年分に相当する「生活防衛費」を貯蓄総額から差し引いた「余剰資金」で行うのが理想とされている。必ず余剰資金の中から、無理なく継続できる範囲で行うようにしなければならない。

最初の投資信託はNISAを活用しよう

投資で利益が出たとしても、その全額が手元に入るわけではない。収益には所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%、合計20.315%の税金がかかり、これが投資初心者のハードルのひとつとなっている。この税率を一定の条件の下で非課税とする制度が「NISA(少額投資非課税制度)」である。非課税口座を開設し、その口座で株式や投資信託を売買することで非課税制度が適用される。

2014年1月には「NISA」、2018年1月には「つみたてNISA」がスタートした。両者はそれぞれ非課税対象や期間、投資上限額などが異なるので、目的に合わせて使い分けることができる。ただし、両方を同時に利用することはできない。

また、損益通算ができないというデメリットがある。損益通算とは、一定期間の損失を各種所得の金額から控除することだ。通常の投資では損益通算によって3年間の繰越控除を受けることができるが、NISAとつみたてNISAは対象外になっている。

NISAを使う

NISAでは、年間120万円までの投資額について、5年間にわたって非課税となる。つまり、最大で600万円が非課税という計算だ。投資対象は上場株式、上場投資信託(ETF)、公募株式投資信託、不動産投資信託などで、通常の購入と積み立ての両方ができる。

つみたてNISAを使う

つみたてNISAは、年間40万円までの投資額について、20年間にわたって非課税となる。最大800万円は一般NISAを上回る非課税限度額だ。投資対象は一定の投資信託のみで、名称の通り積み立ての形で運用していく。積み立てる金額は月額3万3,333円が上限で、100円や1,000円、1万円など少額から可能となっている点は初心者向きといえる。

初めて投資信託をする場合は、NISAやつみたてNISAを使うことで、運用益や分配金にかかる税金を気にすることなく運用できる。特につみたてNISAの場合、少額から始められて長期間運用できるため、初心者が取り組みやすい制度といえるだろう。

まとめ

少ない資金から始めることができ、資産運用のプロに運用を任せることのできる投資信託は、初心者が始めやすい投資方法といえる。ただし元本保証がされているわけではなく、事前にある程度の知識や情報も必要で、手数料等が発生するなど、始めるにあたって留意すべきポイントもある。

実際に始める場合は、事前にどのようなリスクがあるのかを把握し、自分なりの目標や戦略を立てたうえで、リスクを回避し、堅実に資産を増やせるような運用を目指していこう。

Writer

株式会社ZUU

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