コラム
掲載日
2022.3.20

投資初心者は何から始めると失敗しないで資産を増やせるか

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

昨今、さまざまな商品の値上げが続いており、家計に打撃を与えている。物価上昇は今後も続くと見られ、手持ちの資産を増やすべく、投資に興味を持つ方も少なくない。しかし、投資には多少なりとも専門的な知識が必要だ。投資初心者は何から始めれば良いのだろうか。

まずは投資の目的を確認

投資をスタートさせる前にまず必要なのは、どのような目的で投資をするのかを明確にすることである。「手持ちの資産を増やしたい」という曖昧な目標ではなく、何のための資金をいくら確保したいのか、それがいつまでに必要なのかを明確にしておくことが大切だ。

例えば、「子どもが大学に通う時に備えて学費を準備しておきたい」という目的であれば、実際に子どもが大学に入学する年齢までに、最低でも初年度納入費用分は確保しておかなければならないだろう。

「マイホーム購入費用を確保したい」のであれば、実際にいつ頃購入するのか、頭金としていくらぐらいの投入を考えているのかなどを決めておく必要がある。

「老後資金を増やしておきたい」という投資目的であれば、長いスパンで着実に増やすことを念頭に置かなければならない。

このように投資の目的を明確にすることによって、どの投資商品に投資すべきか、どのような形で運用していくかも変わってくる。

いくらから始めるべきか

目的が決まったら次はいくら投資するかを決めることになるのだが、その際に気を付けなければいけないのは「余裕資金を投資資金にする」ということだ。

投資には資産を増やせる可能性がある一方、元本割れするリスクがある。生活費を切り崩して投資を行い、資産が増えて生活が豊かになればいいが、元本割れになった場合はライフスタイルを変えなければいけなくなる可能性も出てくる。

「利益を出さなければいけない」という焦りから、冷静な判断ができなくなる可能性も高まるだろう。投資がうまくいかずに食費を切り詰めたり、自家用車を売却したりするぐらいなら、投資をせずに従来の生活を維持したほうが賢明だ。

そこで、資金は預貯金から捻出することになるのだが、「預貯金=投資資金」ではないことにも留意しなければならない。投資に回せる資金は、預貯金から「生活防衛資金」を差し引いた「余裕資金」だ。

「生活防衛資金」とは、毎月の生活費の数カ月から1年分程度の金額を指す。我々にとって、今日の生活を明日も維持できる保証はどこにもない。急病、事故で手術や長期間の入院を余儀なくされるかもしれないし、天災に遭遇して避難生活を送ることになるかもしれない。ファミリー世帯であれば、家計を支える世帯主が急死してしまうと収入源が断たれることになるし、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く今の世の中では、収入の減額や失業を強いられる可能性もある。

こういった事態に直面した時に立て直しを図り、その間にそれまでの生活を維持するための資金が「生活防衛資金」となる。必要とされる金額は当事者の立場によって異なる。例えば単身者の場合、生活費が3カ月分程度あれば、たとえ立て直しに時間がかかったとしても、ライフスタイルを変えるなどして持ちこたえることができるだろう。一方、ファミリー世帯の場合は家族全員の生活を維持しなければならないため、半年から1年分程度の生活費があったほうが安心だ。

いずれにしても、この「生活防衛資金」を預貯金から差し引いた金額が投資に回せる資金となる。そう考えると、最初に投資できる金額はそう大きな額にはならないことがイメージできるのではないだろうか。

これらを踏まえて初心者が最初に投資する金額だが、多くても数万円程度からスタートするのがいいだろう。実際、投資商品の中には数百円や数千円程度からできるものもある。こうした少額投資であれば、損得を度外視して投資の何たるか知ることも可能だ。

また、投資に対する向き合い方や感情の揺れ動き方などを経験することで、自分の性格や気質が投資に向いているかどうかもジャッジすることができるだろう。最初は数百円から数千円程度、余裕があっても数万円程度から始めることを勧めたい。

投資初心者に向いている投資

投資の対象となる投資商品には「リスク」と「リターン」がある。「リターン」とは資産を運用することによって得られる成果を指し、「リスク」は「リターンの振れ幅」を指す。「リスクが小さい」とは「成果は小さいが、損失も少なくて済む」ことを意味し、逆に「リスクが大きい」とは「大きな成果を得られるかもしれないが、損失が大きくなる可能性もある」ことを意味する。リスクとリターンは比例する傾向にあり、リスクが小さければリターンも小さくなり、リスクが大きくなればリターンも大きくなる。

投資初心者にとっては、このリスクとリターンが小さい「ローリスク・ローリターン」や、中程度の「ミドルリスク・ミドルリターン」の商品からスタートさせるのがいいだろう。

初心者向けの投資商品

まずは投資初心者が始めやすい投資商品から紹介する。リスクを抑えつつ高いリターンを狙えることもあり、多くの投資家が購入している投資商品でもある。

・投資信託

初心者向けの投資商品の代表格ともいえるのが投資信託だ。複数の投資家から集めた資金をひとつにまとめ、「ファンドマネージャー」と呼ばれる投資のプロが運用し、それによって得られたリターンを分配するものである。

複数の投資家から資金を集めるため、一人ひとりの出資額が少額で済む点がメリットだ。集めた資金を国内外の株式や債券、不動産など複数の投資対象に分散投資することが可能なため、例えば国内の株式で損失が出たとしても、海外株式の収益でそれをカバーするなど、大きな損失が出にくいような運用がなされるものもある。また、運用はプロに任せるため、投資に関する深い知識がなくても始めることが可能だ。

一方で、元本保証がなく、購入時の手数料、信託報酬、信託財産留保額などの手数料がかかるため、損益がマイナスになる可能性もある。

初心者が始めやすい投資方法

リスクを抑えて少額から始められる投資方法がいくつかある。投資に使えるまとまった資金がない場合でも数百円から投資ができるので、投資初心者であっても気軽に始められる。

・ミニ株

日本での株式売買は、通常は銘柄ごとに1単元=100株という取引単位で売買することが定められている。そのため、株式投資をするにはある程度まとまった資金が必要になり、一部の限られた人にしか投資のチャンスが与えられないことになる。

しかし、一部の証券会社では100株を下回る数で株式の売買ができるサービスを導入しており、これを「単元未満株」あるいは「ミニ株」という。

「ミニ株」は単元株数に関わらず1株から購入することができる。誰もが知る大手企業の株式を購入しようとする場合、通常なら100株で数十万円から数百万円の資金が必要になるのだが、「ミニ株」なら数百円から数千円で購入できる。

単元株に比べて銘柄が限られ、手数料が高い、株主優待が受けられないなどのデメリットはあるものの、少ない金額で始められるため、投資初心者が株式投資を始める場合のおすすめの方法といえるだろう。

・ポイント運用、ポイント投資

クレジットカードのポイントを使って投資ができるものに「ポイント運用」と「ポイント投資」がある。名前は似ているが、両者は微妙に違う。

「ポイント運用」は、一定のポイントを預け、実際の投資信託や株価の値動きに合わせてポイントの数値が増減するものであり、ポイントを使った投資の疑似体験システムともいえるものだ。増えたポイントは引き出して通常のポイントと合わせ、買い物やサービスの利用などに使うことができる。

一方、「ポイント投資」とは、ポイントを使って実際の投資信託や株式などを購入できるサービスだ。ポイントで投資商品を買い、リターンは現金で得ることができる。開始する際には証券口座を開設する必要があり、ポイントが消失する可能性もあるものの、ポイントを使って実際に投資ができるという点ではかなり初心者向けといえるだろう。

ただし、どちらも実際の投資のように、ポイントが元本割れすることもある。

投資で活用できる制度

初心者が投資をする際に活用できる制度がいくつかある。投資の運用益には本来、税金がかかるものだが、これらの制度を使えば、非課税の優遇を得ることができる。いずれも資産形成をしやすくするために国がつくった制度であり、運用益が非課税となるぶん、リターンが増えることになる。

NISAとつみたてNISA

投資信託などで資産運用をする際は、「NISA(ニーサ)」と呼ばれる制度を利用することで節税効果が得られる。NISAとは「Nippon Individual Savings Account」の略で、日本語では「少額投資非課税制度」と訳される。

株式投資や投資信託で得られる配当や譲渡益には通常、20.315%の税金がかかる。しかし「NISA口座」を開設し、その口座を通じて購入した投資商品については、毎年120万円分の投資に対する利益が5年間にわたって非課税となる。

1人につき1口座しか開設できず、損失が出た場合、繰越控除や他の口座で出た利益との損益通算(利益と損失の相殺)ができないことなどは注意が必要だ。

また、投資信託のみを対象とした「つみたてNISA」という制度もあり、こちらは毎年の非課税枠が40万円、期間が20年間となっている。つみたてNISAもNISAと同様、損失の繰越控除や他の口座との損益通算はできない。

それでも、税制において優遇されるのは投資初心者にとっては大きなメリットとなる。これらの制度を活用しながら進めるのがいいだろう。

iDeCo

企業や個人が掛金を拠出し、自ら運用して老後資金を作る「確定拠出年金制度」が2001年10月にスタートした。このうち個人が行うものが「個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)」である。

預貯金や投資信託、保険商品等から運用する投資商品を選び、毎月、一定額を積み立てながら運用する。そして、60歳以降に運用益を含む資産を年金や一時金として受け取ることができる制度だ。5,000円から始めることができ、NISAと同様、運用益には税金がかからない。受け取りの際には年金として受給する場合は公的年金等控除、一時金として受給する場合は退職所得控除が受けられる。

元本の保証がなく、運用中の資産は原則として60歳にならないと引き出すことができないなどの注意点はあるものの、老後資金を確保するために有用な手段の一つと言える。

投資初心者が陥りがちな失敗5選

ここまで、初心者や深い知識がない方でも始められる投資、少額からでも始められる投資のスタイルがあることは説明してきた。

しかし、たとえ初心者が少額の投資をする場合も失敗はしたくないものだ。そこで、ここでは投資初心者が陥りやすい失敗例を紹介する。もちろん投資には資産が増えることも、減ってしまうこともあるため、これらの行動を回避していても元本割れを起こす可能性はある。その確率を少しでも下げるためにも参考にしていただきたい。

①1つの銘柄や投資商品に資産の大半を注ぎ込む

投資の格言に「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉がある。割れやすい卵をまとめて一つのカゴに盛っていた場合、もし、そのカゴを落としたら、すべての卵が割れてダメになってしまうだろう。ここでの「卵」は投資にかける資金、「カゴ」は投資対象商品を指す。一つの商品にすべての資産を注ぎ込んで運用していた場合、その商品の価値が急落した場合は大きな損失に見舞われることになる。

こうした事態を避けるために、投資は「分散投資」が基本とされている。国内や先進国、新興国の債券や株式など、複数の投資商品に少しずつ資金を分けて投資することでリスクを分散するという考え方で、いくつかのカゴを用意し、そこに1つずつ卵を盛っていくイメージだ。これなら1つのカゴを落としても、割れる卵は1つで済む。

②価格が大きく上昇している局面で買う

投資商品は、購入した後にその価値が上昇したタイミングで売却すれば、その差額を利益として得ることができる。そのため、値上がりが期待される商品を見極めて買うのがポイントとなる。

これから上がりそう、値上がりし始めた、といった局面で購入するのはいいが、すでに人気銘柄となり、価格が大きく上昇したタイミングで買うのは避けたほうがいい。価格が大きく上昇していれば、それだけ高額の資金が必要になり、またそれ以上の大幅な値上がりはあまり期待できないからだ。タイミングの見極めは、経験を重ねながら身につけていくしかないだろう。

③SNSやセミナーの情報を鵜呑みにする

初心者が投資を始めるには不安があり、第三者を頼りたくなるものだが、SNSやセミナーで得た情報をそのまま信じるのは避けたほうがいい。SNS上には真偽の分からない情報があふれている。知識もないのに適当な情報を流す者、中には嘘の情報を流して市場の混乱を目論む者もいる。それらを信じてしまうことがないように注意しよう。

また、投資セミナーも多く開催されているが、そこで得た情報についても慎重な見極めが必要だ。中には「絶対に成功する」、「高い確率で利益が出る」などとうたっているところもあるが、その言葉こそ疑ってかかったほうがいい。

投資に「絶対」はない。どの商品がどのような値動きをするのか、予想はできても正確に把握することは誰にもできないし、経験豊富なプロの投資家でも損を出すことがあるのだ。

④高い手数料を支払ってしまう

投資商品の購入先で「おすすめの商品です」と紹介され、言われるままにその場で購入するのも避けたほうがいい。この場合の「おすすめ」は、手数料等が高額に設定されていて、売る側にとっての「おすすめ」であるケースがあるからだ。

例えば投資信託の場合、購入する際には「購入手数料」が、そして運用期間中は「信託報酬」と呼ばれる手数料が毎年、差し引かれる。これらの金額が高く設定されていると、運用益が出ていたとしても、そこから信託報酬が差し引かれた結果、元本割れになってしまう可能性があるのだ。

そして、このように購入手数料や信託報酬が割高に設定されている商品を「おすすめ」として勧めてくる売り手もいる。近年は購入手数料がかからない「ノーロードファンド」もあるので、商品の見極めが必要だ。

⑤一時的な損失で投資を辞めてしまう

投資をして損失を出してしまうと「これ以上やっても大損してしまう」、「やっぱり初心者には難しい」などと考えて投資を辞めてしまうケースもあるだろう。しかし、損失を出した状態で辞めたのでは「損失が出たまま」になってしまう。

先にも述べたが、誰でも損失を出す可能性はある。裏を返せば、利益を得る可能性も誰にでもあるということだ。失敗から学び、経験を重ねることで、損を出しにくい投資方法が身についていく。その意味においても、最初は少額の投資からスタートし、経験を積むことが重要だ。

まとめ

「投資家」と呼ばれる人たちが高額の資金を注ぎ込み、さまざまな情報や知識を駆使しながら運用していくイメージのある投資だが、初心者でも少額から始められる方法はある。何か目的があって今ある資産を増やしたい方、投資に回せる余裕資金がある方は、少しの金額から投資の第一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。

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