コラム
掲載日
2022.2.26

あらゆる交通手段を一元化!2022年は「MaaS元年」になる?

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

「次世代の移動手段」として、日本においても話題になっている「MaaS(マース)」。「モビリティ・アズ・ア・サービス(Mobility as a Service)」の略と聞いても、いまひとつイメージできない人もいるだろう。そこで今回は、MaaSとは一体どのようなもので、社会や我々の生活がどのように変化するのかについて解説しよう。

MaaSとは?

MaaS(モビリティとしてのサービス)の定義はさまざまだが、「最適な移動手段をオンデマンドで一括して利用できるサービス」とイメージすると分かりやすいのではないだろうか。近年は観光や、エンターテイメント、医療、不動産など他分野のサービスと連携させることで、MaaSの多様化を図る動きも見られる。

具体的にはICT(情報通信技術)やAI(人工知能)、クラウドサービスといったさまざまなテクノロジーを組み合わせて、公共交通機関を含む移動手段やプラスαのサービスを包括的、かつシームレスに利用できるようにすることが目的だ。

例えば、自宅から出張先に移動する際、従来の手段では最初に経路を調べ、電車や飛行機、タクシー、宿泊先などを選定し、個別に予約・決済する必要がある。MaaSではアプリ経由で全てのプロセスを一括で済ませることが可能なため、労力と時間が大幅に節約できる。また、eチケットなど移動に関する情報をスマホに保存できるため、うっかり家に忘れたり紛失したりする心配がない。

MaaSのメリット

MaaSの普及は、現代社会が直面している重要課題の解決にも貢献すると期待されている。

そのひとつが、Co2(二酸化炭素)排出量削減だ。特に、日本においてはレンタカーやカーシェア市場が拡大する一方で、高齢者や女性の自家用車利用は増加傾向にある。公共交通機関の利用については、「乗り換えの際の時間ロスや手間が負担になる」「病気や小さな子どもがいるなどの理由で、移動がしづらい」といった声が多い。

しかし、移動の利便性が向上することにより、誰もが気軽にマイカー以外の方法で外出しやすい環境が整備される。都市中心部では交通渋滞の緩和にもつながるだろう。

また、消費者に公共交通機関の有効利用を促し、交通の便が悪い地域にも人を呼び込みやすくなるため、地域経済の活性化も期待できる。

日本にも進出 元祖MaaSアプリ「Whim」

MaaS先進国といわれるフィンランドでは、すでにMaaSが消費者の生活の一部として定着しつつある。圧倒的な人気を誇る「Whim(ウィム)」は、MaaSのコンセプトの考案者、サンポ・ヒエタネン氏率いるMaaS Globalが開発した世界初のMaaSアプリだ。

目的地までの最適な移動手段と経路を自動的に検索・提案し、公共交通機関から自転車・電動キックボードシェアリング、フェリー、タクシー、格安レンタカーの手配・決済まで一括して行える。また、ユーザーはシリーズチケットや割引など「Whim」限定の特典も楽しめる。

2017年にヘルシンキでローンチされ、2019年には同都市だけで登録ユーザー数が7万人に達した。現在はアントワープ、ウィーンなど世界6カ国の大都市において、1,800万件を超える移動手段に使用されている。

日本においても2019年から三井不動産グループのShareTomorrow(シェアトゥモロー)と提携し、実証実験サービスを開始。2021年12月には「Whim」を組み込んだ不動産MaaSの新サービス「&MOVE」を、ShareTomorrowが発表した。三井不動産グループが開発・運営する商業施設・ホテル・マンションなどのユーザーに、「Whim」やSNSアプリを介して、コロナ禍で多様化するライフスタイルに応えるサービスを提供する。

注目の「観光型MaaS」とは?

このようにMaaSが多様化する中、2021年はさまざまな実証実験が盛んに行われた。

特に注目を浴びたのは、コロナ禍で大打撃を受けた観光型MaaSだ。多くの観光地はコロナ以前から、人気の観光スポットに観光客が集中し、周辺はなかなか客足が伸びないことに頭を悩ませていた。そこでMaaSを利用して、足かせとなっている交通アクセスの向上を図り、効果的な集客方法を模索する動きが加速している。

JR東日本が東北 6 県と提携する「TOHOKU MaaS(トウホク マース)」は、その一例だ。「新幹線 e チケット」や「モバイル Suica」など複数のアプリと組み合わせると、スマホひとつで快適に東北の旅を楽しめる。

デジタルパスやeチケットを利用するため、対人接触の機会が大幅に削減するほか、駅や施設などの混雑状況をアプリで確認すれば、「3密(密閉・密集・密接)」の回避にも役立つ。

国を挙げての実証実験が加速

「スマートシティ」計画の一環として、モビリティサービスの社会実装を強力に後押ししているのが、政府による支援だ。

2019年4月には、国土交通省と経済産業省が地域と企業の協働による意欲的な挑戦を促す新プロジェクト「スマートモビリティチャレンジ」を開始。さらに、地域の交通課題解決に向けたモデル構築を目指し、国土交通省が「新モビリティサービス推進事業」を設置した。「業者間のデータ連携」「まちづくり・インフラ整備との連携」「運賃・料金の柔軟化、キャッシュレス化」「新型輸送サービスの推進」に注力している。

また、公募を通して2019年は19事業(地域)、2020年は38事業(地域)が日本版MaaSモデルプロジェクトに採択され、AIオンデマンド乗合サービスや自動運転バスサービスなど、革新的なアプリの実証実験が進められている。

ニューノーマル時代の移動手段

コロナ禍を契機に人々のライフスタイルは、大きく様変わりしつつある。MaaSはニューノーマル時代の生活に欠かせない革新的な移動手段として、今後も進化し続けるだろう。

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株式会社ZUU

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