コラム
掲載日
2022.2.20

2022年4月から「18歳」で成人に、
金融業界での影響は?

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

民法の改正により、2022年4月から成人年齢が現在の「20歳」から「18歳」に引き下げられる。このことにより、金融業界でもさまざまな変化が起きる。例えば、18歳になれば親の合意がなくてもクレジットカードを作れるようになる。他にはどんな変化が起きるのか。

改正民法の概要:何がどう変わる?

現在の成人年齢は20歳だ。明治9年(1876年)にそう定められた。しかし、日本では2015年の公職選挙法の改正によって選挙権が与えられる年齢が20歳から18歳に引き下げられ、18歳や19歳も成人として扱うべきなのでは、といった議論が盛んに行われるようになった。

こうしたことを背景に、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法案が2018年6月に国会で成立し、改正民法が2022年4月1日に施行されることとなった。具体的には、2022年4月1日時点で18歳以上20歳未満の人は、その日から成人として扱われるようになる。

なお冒頭で述べたように、クレジットカードは18歳から親の合意なしで作ることができるようになるが、引き続き20歳にならなければできないこともある。例えば、飲酒やたばこ、競馬、競輪などだ。

健康被害やギャンブル依存症などの観点から、こうした行為が法的に可能な年齢は引き下げられない。

改正民法の施行によって金融業界で起きる変化

ここからは民法改正によって金融業界で起きる変化にフォーカスし、解説していこう。

銀行口座の開設やカードローンによる貸し付け

銀行口座の開設に関しては、現在でも20歳未満での開設は可能であるが、原則として親の合意や親の身分証明書などが求められる。しかし、成人年齢が18歳に引き下げられることで、18歳になれば親の合意や身分証なしに口座開設が可能になる。

ただし銀行に関しては、カードローンによる貸し付けや住宅ローンの対象年齢も引き下げるかどうかは、議論が分かれそうだ。当然、収入基盤は20歳よりも18歳の方が弱い。そのため18歳や19歳に貸し付けを行うということは、貸し付け相手が過重債務を抱える引き金となってしまいやすい。

今のところ、銀行によって判断が分かれており、2022年4月の時点で銀行業界が横並びで対応することになるのか、それとも銀行によって対応が変わるのか、注目すべき点であると言える。

証券口座の開設

証券口座に関してもルールが変わる。これまでは20歳になるまでには、証券口座の開設の際に親権者を指定する必要があった。しかし2022年4月からは原則、18歳になれば親権者を指定しなくても口座を開設することが可能になる。

生命保険や損害保険の契約

改正民法の施行により、18歳になればさまざまな「契約」が親権者の合意なしに可能なようになる。つまり、自動車保険などの損害保険や死亡保険などの生命保険も一人で契約できるようになるということだ。

クレジットカードの作成

現在は20歳未満の場合、クレジットカードを作成する際には親の合意が必要だった。しかし改正民法が施行されれば、一人で作成が可能になる。ただし、クレジットカードの作成の際は支払い能力などの審査があるため、当然ではあるが審査に落ちればクレジットカードは作れない。

消費者金融ではどのような変化が?

18歳になれば、消費者金融でお金の貸し付けを受けることができるようになる。しかし、ただでさえ消費者金融を利用した人は過重債務を抱えやすいため、業界内で18歳や19歳に対する対応をどうするか、意見が分かれている。

日本貸金業協会が2020年10月に公表した「若年層の顧客に対する貸付方針・取組状況等に関する調査結果」では、18~19歳であっても貸し付けの際に親の合意を取得すると答えた業者は37.2%に上っている。

利用限度額についても、対応が分かれている。18~19歳の場合、利用限度額を通常の利用限度額より低く設定すると回答した業者は36.0%に上っている。

身の回りでさまざまな変化が起こる2022年

改正民法の改正によって金融業界で起きる変化を説明してきたが、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることで、他にもさまざまな変化が起こる。

例えば、10年有効のパスポートを取得することや、司法書士や公認会計士などの国家資格に基づく職業に就くことなども、18歳から可能になる。

成人式については、各自治体によって対応が分かれそうだ。国としては、各自治体が実情に合わせてそれぞれ判断できるようにする方針のようで、18歳を対象に成人式を行う自治体もあれば、20歳を対象に成人式を行う自治体も出てくるかもしれない。

金融業界を含め、しばらくはさまざまな点で対応が分かれるケースが増えそうだ。

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株式会社ZUU

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