コラム
掲載日
2022.1.30

結婚の費用っていくらかかる?
必要な資金とその準備

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

人間の一生には様々なイベントが発生するが、その中で特に大きなイベントのひとつに結婚がある。近年は入籍を済ませるだけの簡素な結婚の形もあるが、結納から挙式・披露宴を行う昔ながらのスタイルを守る夫婦もいる。実際のところ、結婚資金はどのくらい必要なのだろうか。

晩婚化が進む現代の結婚事情

厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、平均初婚年齢は夫が31.0歳、妻が29.4歳となっている。およそ40年前、1980年の調査で夫27.8歳、妻25.2歳だったことを考えると、夫婦ともに晩婚化が進んでいると言える。

現在の平均初婚年齢の時期に結婚するケースについて考えてみたい。夫、妻ともに会社員であると想定すると、夫は高卒で就職した場合は13年間、大卒なら9年間の勤続になる。妻は高卒なら11年あまり、大卒なら7年あまりだ。それだけの期間、働いていれば、結婚するまでにそれなりの貯蓄をしている人も多いだろう。

その中から結婚資金を捻出することになるのだが、結婚式や新婚旅行だけで貯蓄を使い切ってしまうわけにはいかない。新生活をスタートさせるには、家具や家電を買い替えなければならないかもしれないし、場合によっては転居する必要も出てくる。

また、早々に子どもが生まれた場合は、0歳児なら1人あたりで年間平均93万1,246円、1歳児は年間平均87万8,040円(※内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版(PDF)」より。10年前の調査のため、現在は金額が上昇している可能性がある)などの子育て費用がかかる。また、マイホームやマイカーの購入資金も準備する必要があるなど、大型のライフイベントが次々にやってくることが想定される。結婚はもちろん、その先を見据えての資産形成を考えておく必要があるだろう。

結婚生活を始めるにあたり必要になる資金

結婚生活がスタートするまでに、概ねいくらぐらいの資金が必要なのだろうか。どのようなイベントがあるのか、それぞれどの程度の費用がかかるものなのかを、ひとつずつ見ていこう。各項目の金額は「ゼクシィ結婚トレンド調査2021」や「新婚生活実態調査2020(リクルートブライダル総研調べ)」などいくつかの統計データを参考にしている。

婚約指輪の購入

プロポーズをする際、夫となる人物が婚約指輪を購入し、妻となる人物へと渡すのが一般的だ。以前は「月給の3カ月分が相場」などと言われていたが、現在はその限りではなく、平均の購入額は35万円となっている。

結納式または婚約食事会

一般的に、結婚前にはお互いの家族が顔を合わせ、家族になることを祝福するものだ。正式な結納式を執り行う場合は、料亭やホテルなどにお互いの家族が集まり、結納品や結納金を贈り合う儀式を行う。結納式費用の平均は18万4,000円。最近は顔合わせの食事会だけで済ませるケースも増えており、その場合の費用は平均6万4,000円だ。

結婚指輪の購入

夫となる人が妻となる人に贈る婚約指輪とは違い、結婚指輪は夫婦それぞれが左手薬指に日常的につけるものだ。費用はペアで平均25万4,000円ほど。

挙式

結婚式における「夫婦になる儀式」を指す。チャペルなどで行う「教会式」、神社の神殿で行う「神前式」、場所を問わず参列者の前で行う「人前式」などがあり、国内で行う場合、挙式のみの費用は平均30万4,000円かかる。

披露宴

披露宴は結婚式における「夫婦になった2人を参列者にお披露目し、祝宴を挙げる場」を指す。挙式・披露宴を合わせた結婚式全体の費用は平均292万3,000円となっている。また、披露宴では参列者からご祝儀をもらうのが一般的で、その総額は平均176万8,000円である。

新婚旅行

挙式・披露宴の後に夫婦そろって旅行するケースも多いだろう。国内・海外など行先は様々だが、費用は2人の旅費で平均29万9,000円、お土産代は平均4万7,000円。

結婚内祝い

結婚祝いをもらった場合、その返礼として内祝いを贈る。その費用は概ね3万円~5万円がボリュームゾーンだ。

新生活準備

新生活を始めるにあたって、新居への引っ越しを考える人もいるだろう。家具・家電、自家用車などを新たに買い揃えようと仮定した場合、それぞれの平均額は以下のようになる。

  • 敷金礼金、賃貸費用:約25万円~50万円
  • 引っ越し費用:約10万円
  • インテリア・家具の購入費用:31万5,000円
  • 家電の購入費用:37万8,000円
  • 自家用車の購入費用:228万円

※参考:たまごクラブ「内祝いにかかった金額調査」、引越し価格ガイド「3K、3DK、3LDK、4K以上の2~5人家族の引越し相場」、新婚生活実態調査2020(リクルートブライダル総研 調べ)、ホンダアクセス「クルマ選びとクルマの利用に関する調査 2021」

上記が婚約から新生活スタートまでの大まかな流れと、かかる費用である。すべて実行した場合の総額は、768万円となる(ただし「結納式または婚約食事会」は結納式を選択し、挙式代は結婚式全体の費用に含まれるものとする)。ご祝儀でその一部を相殺するとしても、591万2,000円が必要になる計算だ。

もちろん結婚式は会場や招待客の人数、式次第をアレンジすることによって金額を大幅に変えることができるし、新婚旅行もお互いが納得すればよりシンプルなものにできる。家具・家電等もお互いが持ち寄って使うようにすれば、費用は節約できるだろう。

また、お互いの両親からの援助を受けることができれば、自分たちの負担を軽くすることができる。極論を言ってしまえば、役所に婚姻届けを提出して入籍するだけの形なら、結婚費用はゼロになるのだ。

それでも、結婚後の生活には何かとお金がかかるため、そこに向けての資金を準備しておく必要がある。

結婚の直後は賃貸でも、やがてマイホームを構えるという計画を立てている人はいるだろう。国土交通省の「住宅市場動向調査(令和元年度)」では、住宅購入資金(土地込み)の全国平均は4,615万円。頭金の平均は購入額の10%~20%なので、最低でもこの額を用立て、ローンの利息も考慮すると将来的には総額5,000万円近い金額を支払っていかなければならない。

子どもにかかる費用

子どもが生まれた場合の、成人まで(※民法改正により、2022年4月1日から生年の年齢が18歳に引き下げられる)にかかる費用も計算してみよう。内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版(PDF)」によると、0歳から15歳までの子育て費用総額は平均1,899万5,250円となる。

また、文部科学省発表の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、高校の学習費は公立が平均45万7,380円、私立が平均96万9,911円となっており、3年間で計算すると公立の場合は137万2,140円、私立の場合は290万9,733円がかかる。

これに養育費がプラスされる。内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版(PDF)」を参考に中学3年生の養育費を算出すると、年間子育て費用額(161万1,802円)から学校教育費・学校外教育費・学校外活動費の総額(65万3,949円)を引いた金額である95万7,853円となる。高校生の養育費がこれとそれほど変わらないと考え、1年間の養育費をおおよそ96万円とすると、3年間で288万円になる。

これらの数字を総計すると、子どもが生まれてから公立高校を卒業するまでの子育て費用は平均2,316万7,390円、私立高校を卒業するまでの子育て費用は平均2,470万4,983円となる。私立の小学校や中学校に通う場合は学校教育費がさらに追加されるため総額もより大きくなり、2人目、3人目が生まれた場合は人数に応じた費用がかかる。子どもが大学に進学する場合も、多くの場合は親が学費を負担することになるだろう。

将来を見据えて資産形成をしよう:預貯金

子どもが成人した後には自宅のリフォームなども視野に入ってくるだろうし、病気や事故などで突発的な出費が必要になるケースもある。長い人生の間には様々なライフイベントがあり、その都度、出費が必要になる。結婚という大きなライフイベントの場面でも大きな資金が必要になるものだが、結婚生活を始めると同時に、将来を見据えた資産形成をスタートさせておくに越したことはない。

では、資産形成には具体的にどのような方法があるのだろうか。

まずは、地道に預貯金をする方法がある。銀行や信用金庫などの金融機関に口座を作り、そこに貯めていく方法が一般的だが、金融機関には預けず、自宅で現金を保管する"タンス預金"という方法もある。

預金にはいくつかの種類がある。その中から、貯蓄に利用できる預金方法の種類と使い方を解説しよう。

普通預金

預け入れや払い戻しが自由にできる口座で、満期はなく、金利が発生する。給与や年金などの振込先、家賃や公共料金、クレジットカードの引き落としの指定口座としても利用できる。

定期預金

1年、2年、3年などの預け入れ期間を設定して預金をする。普通預金に比べて金利は高いが、満期日になるまでは原則引き出すことができない。

貯蓄預金

出入金が自由に行える点は普通預金と同様だが、預入額が一定の金額(基準残高)を超えると金利の優遇を受けられる。給与の自動受け取りや公共料金の自動引き落としには利用できない。

積立定期預金

普通預金から毎月、指定日に一定額を定期預金として積み立てる。積み立て期間と据え置き期間が完了したら満期になり、元本に利子を加えた金額が払い戻される。

大口定期預金

1,000万円からの預け入れが可能な定期預金のことを指す。預け入れ時の利率が満期日まで適用される。余剰資金がある場合や退職金などまとまった資金が入った場合などに活用できる。

将来を見据えて資産形成をしよう:国債や投資信託

預金は金融機関が破綻しない限りは元本が保証されるが、近年はメガバンクの普通預金が金利0.001%、定期預金が0.002%となるなど、低金利状態が続いている。そのため、自分が預け入れた資産を積み重ねることはできても、増やすのは難しいというのが現状だ。

預金よりも高い利回りで資産形成ができる方法としては、国債や投資信託などが考えられる。

国債

国債は国が発行する債券であり、国に対してお金を貸す形で国債を購入することとなる。満期まで国債を保有していれば元本と利息がリターンとして支払われ、国が破綻しない限りリターンは保証される。

投資信託

投資信託は、複数の投資家が出資したお金を原資として運用のプロであるファンドマネージャーが株式や債券、不動産など様々な商品に分散投資・運用し、得られた利益の一部を収益分配金として受け取る金融商品だ。

株式や債券は市場環境によって基準価額が上下するため元本割れが発生する恐れがある一方、預金や国債に比べて大幅な利益を得られる可能性もある。これらを組み合わせ、それぞれの短所を長所で補い合うのが投資信託の特徴だ。

不特定多数の投資家から資金を集めるため、一人ひとりの投資額は少なくて済む。また、プロの投資家がそれぞれの知見から投資先を選んで運用するため、投資に関する深い知識がなくても始めることができる。投資信託を売却した場合、その基準価額が購入時の金額を上回っていれば、その差額を譲渡益として得ることもできる。

投資信託は主に金融機関や証券会社で購入することができる。金融機関で投資信託口座、証券会社の場合は総合取引口座を開設し、そこに投資資金を入金することで購入の準備が完了する。

そこから自分の目的に見合った投資信託を購入することになるのだが、その際には「投資信託説明書(交付目論見書)」を必ずチェックしよう。交付目論見書にはどの国のどのような資産に投資するのか、どういった目的で運用するのか、投資リスク、これまでの運用実績、手続・手数料などの情報がまとめられている。これらの情報を自分が求めるものと照らし合わせてから購入するのが理想だ。

なお、投資信託には購入(換金)手数料、信託報酬、信託財産留保額などのコストが発生する。

購入(換金)手数料は投資信託を購入あるいは売却した際に発生するもので、販売会社である金融機関や証券会社に支払われる。販売会社によって金額は異なり、中には手数料がかからない商品もある。信託報酬は窓口となる販売会社、投資と運用に携わる運用会社、受託会社への報酬として支払われる。信託財産留保額は、投資信託を換金する際、投資信託そのものに支払われる手数料だ。

また、投資信託の収益分配金と譲渡益には、元本を上回る部分について20.315%の税金(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が課せられるので、併せて注意が必要だ。

こうした各種手数料や税金が引かれるとは言え、投資信託は運用期間を長くすればリスクが低減するとされている。結婚生活を送る中で様々なライフイベントに直面した時に資金不足にならないよう、早いうちから、少額からでも投資信託にチャレンジしてみてはいかがだろうか。

結婚資金と同様将来への資産形成は必要不可欠

本記事では、結婚資金をはじめ子どもの学習費・養育費や将来的な資産形成について述べてきた。結婚は、想像以上にお金がかかると感じた読者もいるのではないだろうか。しかし、これはあくまで一例である。そもそも挙式しなかったり、新婚旅行をしなかったりした場合コストは十分抑えられる。2人の貯蓄額や年収を踏まえたうえで本記事を参考に、おおよその結婚資金を算出すると良いだろう。

将来的に子どもが生まれた場合は、学習費や養育費についても考えなければならない。また、生きている以上、病気や事故といった予想外のトラブルに見舞われることもある。本稿で紹介した資産形成の方法を早期に取り入れ、将来への備えを万全にしよう。

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