コラム
掲載日
2022.1.30

知らなきゃ恥ずかしい?「ストックオプション」の基礎知識を解説

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

経済ニュースを読む人なら、「ストックオプション」というワードを目にしたことがあるはずだ。株式に関する言葉であることはわかると思うが、正確な意味を知っているだろうか。今回は、ストックオプションについてわかりやすく解説しよう。

経済ニュースでよく聞くワード「ストックオプション」

「ストックオプションの付与をエンジニアに拡大」「CEOに特別報酬としてストックオプションを付与」「ストックオプションも税制優遇の対象に」。経済ニュースを読んでいると、「ストックオプション」というワードがこのような文脈で使われる。

ストックオプションとは、将来の一定期間において、事前に決定された価格で、その企業の株式を一定数量分購入できる権利のことだ。例として、ある企業の株式を1株100円で購入できるストックオプションを付与されたケースを考えてみよう。

その企業が株式を上場して、1株の価格が1万円まで上がったとする。その時にストックオプションを行使すると、1万円の価値がある1株を100円で購入できることになる。つまり、ストックオプションを行使した時点で1株当たりの差額の9,900円が含み益として発生する。

整理すると、ストックオプションを行使することで得られる含み益は、以下の計算式で求められる。

市場価格 - 購入価格 = ストックオプションによる含み益

ちなみに、ストックオプションで事前に決められた購入価格を市場価格が上回ってない場合、ストックオプションを行使すると含み損が生じる。しかし、ストックオプションは行使しないこともできるため、このような含み損は避けられる。

最近ではイーロン・マスク氏のストックオプション行使が話題に

最近、米EV(電気自動車)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がストックオプションを行使したことが話題になった。

イーロン・マスク氏は、2012年に1株を6.24ドルで購入できるストックオプションを付与されていた。このストックオプションの行使期限は2022年8月で、マスク氏はこれを2021年11月に行使し、テスラの株式を215万株以上取得した。

2021年11月にストックオプションを行使した時、テスラの株価は1,000ドルを超えていた。マスク氏は、このストックオプションで巨額の利益を得たのだ。

ストックオプションの行使によって発生した利益は、課税対象である。マスク氏はストックオプションの行使で生じた納税義務を果たすため、保有していたテスラの株式を一部売却している。

ストックオプション制度の意義とは?

ここまでの説明で、ストックオプションについて理解が深まったと思う。続いて、ストックオプション制度の意義について見ていこう。

前提として、企業(株式会社)はストックオプション制度を導入するかどうかを自由に決められ、導入する場合は優秀な人材の確保や、従業員のモチベーションの向上を目的とするケースが多い。

優秀な人材の確保のために導入するケース

前述のとおり、ストックオプションは付与された人に大きな利益をもたらす可能性がある。そのため、高い給与を支払えないベンチャー企業やスタートアップなどは、ストックオプション制度を導入することで優秀な人材を集めようとするケースが多い。

従業員のモチベーションを高めるために導入するケース

大手企業がストックオプションを従業員に付与するケースもある。その場合は、従業員のモチベーションアップを目的としている。

ストックオプションを付与された従業員にとっては、その企業の株価が上がれば上がるほどストックオプションを行使したときの利益が大きくなる。そのため、自社の業績が向上するように仕事を頑張るわけだ。

従業員に付与するケースも増えている

ストックオプションはアメリカで始まった制度で、日本では1997年の商法改正によって導入された。これまで、ストックオプションの付与は一部の役員などに限られるケースが多かったが、最近では付与対象を従業員まで拡大する企業が増えている。

前述のとおり、ストックオプションを従業員に付与すると、経営陣と従業員が同じ方向を向いて事業に取り組めるようになる。ここでいう「同じ方向」とは、その企業の業績向上だ。

業績が向上して株価が上がれば、ストックオプションを付与された従業員も恩恵を受けられる。そのため従業員の労働生産性が上がり、事業拡大のスピードも上がる。上場後に株価が上昇しない局面では、ストックオプションを付与された従業員のモチベーションが上がりにくくなることもある、といったリスクもあるが、企業にとっては導入することによるメリットが多い制度といえる。

今後経済ニュースを読む際は、ストックオプション制度をどのような企業がどのように活用しているか、ぜひ注目してほしい。その会社がどのように業績を向上させようとしているか、その方向性を見極めることができるはずだ。

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株式会社ZUU

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