コラム
掲載日
2022.1.23

世界の富裕層、移住先ランキング、
「オーストラリア」が1位に君臨する理由

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

オーストラリアが5年連続で「富裕層に人気の移住先ランキング」の1位に輝いた。一方、日本は「富裕層に人気の観光地」の2位だ。

「国の発展力のバロメーター」とされる富裕層の動きとともに、オーストラリアが富裕層を魅了してやまない理由を探ってみよう。

世界のお金持ち、移住先ランキング

ランキング(Global Wealth Migration Review 2020)は、モーリシャスに拠点を置くアフラシア銀行が各国の起業家・投資家ビザの統計や富裕層の不動産購入データ、移民専門家やウェルスマネージャーなどから収集した情報に基づいて、2019年の1年間にどれだけの富裕層が移住したのか、その人数と増加率をまとめたものだ。資産100万ドル(約1億1,346万円 ※1USD=113.456JPY 2021年12月6日時点のレートにて換算)以上の富裕層に人気の移住先トップ10は、以下のとおりだ。

順位 増加数 増加率
1 オーストラリア 12,000人 3%
2 アメリカ 10,800人 0%
3 スイス 4,000人 1%
4 カナダ 2,200人 1%
5 シンガポール 1,500人 1%
6 イスラエル 1,400人 2%
7 ニュージーランド 1,400人 1%
8 アラブ首長国連邦 1,300人 2%
9 ポルトガル 1,200人 3%
10 ギリシャ 1,100人 3%

出典:Global Wealth Migration Review 2020

オーストラリアが5年連続1位の理由

富裕層が移住先を選ぶ基準は、治安・生活水準・教育・事業チャンス・税制・医療制度・環境・政府の方針など、多岐にわたる。上位10ヵ国はこれらの基準を満たしており、かつそれぞれの国が富裕層にアピールする魅力(文化、気候など)にあふれていると考えられる。

オーストラリアは世界各国の治安や生活の質、教育制度、事業チャンスなどを評価する数々のランキングで上位にランクインしており、富裕層が快適に暮らせる条件が揃っている。

1992年から2019年まで28年連続でプラスの経済成長を維持するなど、国の経済基盤が安定しており、かつ相続税と贈与税がないことも大きな魅力だ。

また、主要言語が英語であるため言葉の壁を心配しなくて済むことや、ポイント制のビザ発行制度を採用しているため、富裕層や起業家が居住権や永住権を獲得しやすいといったメリットもある。

都市別の人気を見てみると、シドニー、メルボルン(オーストラリア)、ジュネーブ(スイス)、ドバイ(アラブ首長国連邦)、シンガポールと、富裕層は大都市を好むことがわかる。

世界中を忙しく飛び回っている富裕層にとって、アクセスが良いことは移住の必須条件だ。また、いずれの都市も国際色が強いという特徴がある。

富裕層に人気の観光地 日本が2位に

一方、富裕層が「観光で訪れたい国ランキング」では順位が一変する。以下のランキングは、ビジネスインサイダーがカスタムメイドのホリデープランを富裕層に提供するロンドンの旅行代理店オリジナルトラベルと共同で、2019年の富裕層顧客の予約数や問い合わせ数に基づいて作成されている。

順位
1 エジプト
2 日本
3 アイスランド
4 コロンビア
5 ブータン
6 ルワンダ
7 ミャンマー
8 セーシェル
9 トルコ
10 チリ

出典:These were the 15 hottest destinations billionaires couldn't get enough of in 2019(businessinsider)

観光地として人気があるのは、エジプト、日本、アイスランドといった異国情緒溢れる国が多い。オリジナルトラベルいわく、「冒険心を刺激される土地で、休暇を満喫したい」という富裕層が増えているという。

11位以下もインド、イギリス、フランスなどで、人気の移住先は一つもランクインしていない。この結果は、富裕層が日常生活と休暇を完全に切り離して考えていることを表している。

中国からは1.6万人が国外へ流出

富裕層が流入する国がある一方で、流出していく国もある。2019年に最も富裕層が流出した国は中国で、国内の富裕層の2%にあたる1万6,000人が国外に移住した。インドからは7,000人、ロシアからは5,500人、香港からは4,200人が流出している。

中国の富裕層の国外流出は今に始まったことではないが、近年は香港や国外に資本を移転させる動きが加速している。アメリカをはじめとする主要国との対立や、言論の自由の抑制、人権弾圧問題、コロナ起源疑惑と、情勢が不安定さを増していることが、富裕層の警戒心をあおっているのだ。

さらに、政府が発行するデジタル通貨「デジタル人民元」が本格的に導入された場合は、国内の資産が政府の監視下に置かれることが予想される。

「富裕層の動きは、その国の未来を予測する重要な手がかりとなる」と述べたのは、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの新興市場部門責任者兼チーフ・グローバル・ストラテジスト、ルチア・シャーマ氏だ。広範囲なネットワークを有する富裕層は国際情勢に敏感で、経済的・政治的混乱の兆しをいち早くキャッチし、資産をより安全な場所へと移す。同氏いわく、資産の移転だけでなく富裕層自身が国外へ流出した場合、その国は深刻な事態に見舞われる可能性があるという。

未来の人気の移住先はニュージーランド?

ランキングはパンデミック以前のデータに基づいて作成されたものなので、2021年版における順位の変化に注目したい。アフラシア銀行は、今後10年間はオーストラリアとアメリカ、スイスが人気の移住先トップ3をキープし、ニュージーランドが順位を上げると予想している。

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株式会社ZUU

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