コラム

投資信託にはご注意いただきたい事項があります。くわしくは「投資信託の注意事項」をご覧ください。

掲載日
2021.12.4

投資でポートフォリオを組むメリット、あなたに合った投資プランを見つけよう

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株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

投資においてポートフォリオをどう組むかはとても重要だ。組み方次第でリスクもリターンも変わってくる。この記事で基本や運用事例を学び、あなたに合ったポートフォリオを組んでみよう。

ポートフォリオとは

「ポートフォリオ(Portfolio)」とは、本来「紙ばさみ」や「折りかばん」、「書類入れ」を意味する言葉である。日本では教育、就職活動、金融・投資の用語として使われることが多い。

教育用語としては、生徒のレポートや試験用紙、活動を記録した画像や動画などを取りまとめて保存した個人評価ツールを指し、「パーソナルポートフォリオ」とも呼ばれる。就職活動においては「作品集」を指し、主にクリエイター職がこれまでの実績や成果物をまとめ、力量を評価・判断してもらうための資料として使う。

そして金融・投資の用語としてのポートフォリオは、投資家が保有している金融資産の一覧や、その組み合わせの内容を指す。金融商品には株式や債券など様々な種類がある。

リスクを抑えるための分散投資

投資をする際、リスク管理のために一つの金融商品に集中するのではなく、複数の商品に投資する「分散投資」を選択する人が多い。

一つの商品だけに投資した場合、その商品の価値が大きく値下がりすれば損失も甚大なものになる。しかし複数の商品に投資しておけば、そのうちの一つの価値が下がっても損失を少なく抑えられ、他の商品で利益が出ればその損失をカバーできる。

投資の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という格言がある。一つのカゴに多くの卵(=資産)を入れていると、万が一そのカゴを落としてしまった場合、すべての卵が割れてしまう。一つひとつの卵を別々のカゴに入れておけば、たとえ一つを落としても他の卵は影響を受けない。これが分散投資を行うメリットを表している。

リスクを抑えながら確実に利益を得るためには、「どんな種類の商品の、どの銘柄を、いくらずつ購入するのか」という組み合わせを明確にしておく必要がある。その組み合わせを表したものがポートフォリオなのだ。

そのポートフォリオを見れば、投資家がどのような金融商品をどれだけ保有しているのかがわかる。それだけでなく、その投資家がどのようなリスクヘッジを取りながら、どのような狙いを持って投資しているのかも読み取ることができるだろう。

投資をする際、必ずしもポートフォリオを作成する必要はないが、作成して投資状況を可視化しておけば、より自分の考えに合った分散投資を行うことができ、リスクコントロールがしやすくなる。

3種類の分散投資

ポートフォリオ作成の大前提となる分散投資の「分散」には、「資産(銘柄)の分散」、「地域の分散」、「時間の分散」の3種類がある。一つずつ見ていこう。

資産の分散

自分の資産を預貯金や株式、債券、不動産、金など、様々な資産に分散して投資し、運用することを指す。

値動きの傾向は資産によって異なり、すべての資産が一気に値下がりすることは考えにくく、リスクも分散することができる。

また、株式についても、複数の業界の銘柄に投資するのがベターだ。株価が上下動する経済的な局面は業界によって異なるため、株式投資の中でさらに細分化されたリスクマネジメントが期待できる。なお、この「銘柄の分散」も今回挙げた3つに並ぶ、代表的な分散投資の一つに数えられることがある。

地域の分散

日本国内だけでなく、複数の国や地域の株式や債券、通貨に対して投資することを指す。資産の分散をしても、その対象がすべて日本国内の資産であれば、日本経済全体が冷えこんでしまうと大きな利益は期待できず、逆に資産が目減りする可能性もある。海外の株式や債券、通貨にも投資することでそうしたリスクを分散することができるのだ。

特に新興国の場合は社会情勢に関する情報を得るのが難しく、政治や経済の状況によって資産価値が変動するカントリーリスクもはらんでいるが、逆に大幅な価値の上昇によって大きな利益を得ることも期待できる。

時間の分散

投資するタイミングを複数回に分けることを指す。資産の価格が安い時に購入し、高くなったタイミングで売却するのが理想的だが、投資商品の価格は日々、変動しており、価格が下がったタイミングで狙って購入するのは難しい。

そこで、複数回に分けて定額で投資することでその時々の値動きに応じ、高い時に買い過ぎることを防ぎ、逆に低い時には多く買い、リスクを抑えていく。時間を分散させて購入するこの方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれている。また、時間の分散をするには自動的に一定額の購入を続けていく「積立投資」も便利だ。

ポートフォリオ作成の手順

ここで分散投資を活用した実際の運用事例を見てみよう。例えば年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、各資産の割合を「基本ポートフォリオ」として定め、その資産構成割合を以下のように定めている。

国内債券、外国債券、国内株式、外国株式の資産構成割合をそれぞれ25%ずつとする円グラフ

(画像=ZUU online編集部)

また、国家公務員共済組合連合会や地方公務員共済組合も、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式の資産構成割合をそれぞれ25%ずつとしている。資産、通貨、地域を分散させた形の投資だ。

投資の方法や投資先は個々によって異なり、それぞれに見合ったポートフォリオがある。では、実際にポートフォリオを作成するには、何を考慮し、どのような手順を踏めばいいのだろうか。

まずは投資する人間の「年齢」や「手持ちの資産」、「運用目的」、「運用期間」、そして「リスク許容度」を明確にしなければならない。一つずつ見ていこう。

年齢

年代によって目指すべきものは異なるだろう。20代であれば投資の経験は乏しいはずなので、まずは経験値を高めたいという目的があるかもしれない。その一方で、多少の失敗であれば取り戻せる時間があるため、ある程度チャレンジングな投資もプランに入れられる。

これが30代、40代になると、これまで重ねてきた経験に応じた投資ができる一方、資金が限定的になる可能性もあり、堅実路線に切り替わるかもしれない。結婚や子育て、マイホーム購入などのライフイベントへの出費が多くなるからだ。

50代になると、妻子がいたとしても子どもが独立して、投資に回せる資金が増えるかもしれない。しかし老後のことを考えるとハイリスク商品への無謀な投資は控えた方が無難であり、安定性の高い資産への投資額を増やすなどの対応が必要になりそうだ。

そして定年を迎える60代以降は安定志向がさらに高まることが考えられる。資産が大きく目減りしないことを念頭に置いた運用になるだろう。

手持ちの資産

手持ちの余剰資産、つまり、投資に回せる金額がどの程度あるかを明確にする必要がある。投資は生活費を切り崩して行うものではない。収入の中から生活費を確保し、余分に使える金額があれば、それを投資に回すという考え方が基本だ。

投資をスタートさせる際は、万が一に備え最低でも半年から1年分程度の生活費を確保してから臨むべきだろう。

運用目的

どのような目的で投資を始めるかも最初に考えるべきポイントとなる。いろいろな投資を経験したい、積極的にチャレンジしたいという目的であれば、外貨や新興国の株式など、ハイリスク・ハイリターン商品の割合が多くなるかもしれない。老後資金を増やすための投資であれば、利回りが低くても安定している商品が中心になる。

運用期間

どのくらいの期間、運用するかによっても投資の方法は変わってくる。短期間で結果を求めるならハイリスク・ハイリターンの投資を選択していくことになるだろう。逆に長期的に、計画的に資産運用していくなら、短期よりもリスクを抑えたスタイルになる。20年、30年を見据えるなら、資産を一気に投じるような思いきった投資はしにくくなるだろう。

リスク許容度

自分の中でどの程度のリスクが許容できるかによっても投資対象商品の割合は変わるだろう。少しずつ資産が増えればいい、大きな損失は出したくないという考えであればローリスク・ローリターンの商品への割合が高まる。一方、リスクをかけてでも大きな利益を出したい、意欲的にチャレンジしたいと考えるのであれば、リスクの高い商品も組み込んだ形になるだろう。

これらの条件を一つずつあぶり出していけば、自分に適した「アセットアロケーション」が見えてくる。アセットは「資産」、「アロケーション」は「配分」を意味し、どの資産にどれぐらいの割合で投資するかを表す配分割合のことだ。この割合をもとに作成するのが「ポートフォリオ」で、投資する総額を100%とした円グラフで表されることが多い。

各条件に応じたポートフォリオの具体例を見ていこう。

20代~30代、ある程度のリスクを許容しつつ成果を得たい人

国内株式35%、先進国株式30%、国内債券20%、先進国債券15%の資産構成割合とする円グラフ

(画像=ZUU online編集部)

年齢が若ければ長期間の運用が可能になり、ミドルリスク・ミドルリターンやハイリスク・ハイリターン商品の割合を増やした運用ができる。そのために株式の割合を増やし、確実性の高い債券でフォローする形にしている。

40代、無理のない運用で安定したリターンを狙いたい人

預金20%、国内債券20%、先進国債券20%、国内株式15%、先進国株式15%、J-REIT10%の資産構成割合とする円グラフ

(画像=ZUU online編集部)

国内外の株式や債券、J-REITなどに幅広く分散投資し、安定的に収益を出すことを目指すパターンである。投資の対象を広く分散させることで価格変動のリスクを最低限に抑え、無理なくリターンを得ることができる。

60代、リスクを最小限に抑えて運用したい人

預金30%、国内債券30%、先進国債券15%、国内不動産10%、国内株式15%、先進国株式5%の資産構成割合とする円グラフ

(画像=ZUU online編集部)

元本割れしにくい債券の割合を増やして資産消失のリスクを抑えつつ、株式などでの利益獲得を狙うスタイルだ。資産に余裕があれば、それまでの資産を整理して一部をハイリスク・ハイリターン商品に入れ替え、短期投資で大きなリターンを狙うといった手段もある。

ポートフォリオは定期的にリバランスを

ポートフォリオは、いったん作成したらそれで終わり、あとはそのとおりに運用していけばいい、というものではない。相場や社会情勢、投資する人間自身の状況は刻々と変化していく。そのため、定期的に資産を再配分する「リバランス」を行う必要がある。

状況に応じて再配分

先ほど挙げた「20代~30代、ある程度のリスクを許容しつつ成果を得たい人」のポートフォリオを例に挙げよう。当初は国内株式35%、国内債券20%、先進国株式30%、先進国債券15%という資産の割合だったが、運用から1年が経過した時点で国内株式の価値が上昇、先進国株式の価値が下落し、資産の割合が国内株式45%、国内債券20%、先進国株式20%、先進国債券15%になったとする。

その時に当初の割合に戻すべく、国内株式を売却し、その資金で先進国株式を購入して、再び国内株式35%、国内債券20%、先進国株式30%、先進国債券15%という割合へと修正する。これを「リバランス」という。

リバランスをすることによって、一時的に利益が減少する可能性もあるだろう。しかし、自分にとって理想的な資産割合を割り出したポートフォリオならば、その割合を維持することを意識したい。とはいえ、それが安定的な利益の獲得につながるとは限らない。状況に応じてその時のポートフォリオを維持する、または配分を変えることも視野に入れておきたい。

運用する資産の価値は絶えず変動し、分散投資していればその割合は日々、変化していく。そのため、リバランスは定期的に行った方がいい。半年ごと、1年ごとなど期間を決め、定期的に実施するのがおすすめだ。もちろんそれよりも短期間でバランスが大きく崩れるようであれば、そのタイミングでリバランスをした方がいいだろう。ただし、資産の売買などの取引には手数料がかかるため、頻繁にやり過ぎると何度も手数料を支払わなければならず、コスト増になってしまうので注意しよう。

配分を変える「リアロケーション」

資産の割合を当初、決めたとおりの数値に戻すのが「リバランス」なら、アセットアロケーションそのものを変えるのが「リアロケーション」だ。ポートフォリオは投資する人の年齢や手持ちの資産、運用目的、リスク許容度などによって決まっていくものだが、年齢が上がれば、目指すべきところも変わっていくだろう。若い頃はある程度のリスクをかけられていたものが、年齢を重ねるにつれて徐々に安全志向になっていく可能性もある。

本人の求めるところが変わっていくのに、若い頃に作成したポートフォリオのままで運用するのでは、乖離が生じてしまう。また、例えば新興国株式の割合を多くして、それらの株式の価値が大きく下落した場合などは、プランを練り直す必要性に迫られる。こういった状況に直面した場合は年齢や資産額、運用目的に見合った形にポートフォリオを作り直さなければならない。これを「リアロケーション」という。

リアロケーションもリバランスと同様、半年や1年など、定期的に見直しをすることが望ましい。相場が大きく変化した時なども見直しのタイミングになるだろう。こうしたリバランスやリアロケーションでポートフォリオを定期的にメンテナンスすることで、長期間にわたる計画的な資産運用が可能になる。

ポートフォリオは投資に欠かせない

投資でリスクを低減させるには分散投資が有効であり、自分の目的に合う分散投資をするためには、ポートフォリオの作成が望ましい。また、ポートフォリオを作る際は「資産(銘柄)の分散」、「地域の分散」、「時間の分散」の3つが重要になる。

分散投資の構成を可視化しておけば、定期的なメンテナンスもしやすいし、不測の事態に直面した時の対応もしやすくなるだろう。自身にマッチしたポートフォリオを作成し、資産を積み上げていこう。

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