コラム
掲載日
2021.11.13

なぜ富裕層の境目は「純金融資産1億円」なのか?

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

一般的に富裕層は、「純金融資産」が1億円以上ある世帯のことを指す。しかし、なぜ1億円が境目になっているのだろうか。その理由の一つが、「純金融資産が1億円以上あれば、資産運用によって働かずに生活できる可能性」が出てくるためだろう。

各調査でも純金融資産1億円以上が指標に

富裕層の定義は明確に決められているわけではないが、調査などでよく用いられるのが「1億円以上」という基準だ。海外では100万ドル以上を富裕層と定義付けるケースが多い。100万ドルは2021年10月1日時点で約1億1,000万円。どちらもほぼ同じ水準だ。

野村総合研究所が毎年行っている富裕層についての推計調査では、純金融資産が「1億~5億円」の世帯を富裕層と定義づけている。富裕層に関する国際調査を手がけるWealth-Xは「100万ドル以上」を富裕層とし、世界における富裕層人口などを調査・公表している。

しかし、なぜ富裕層の境目として「1億円」を基準にしているのだろうか。少し深掘りして考えてみたい。1億円という数字がキリのよい数字であることも理由として挙げられるが、それだけではない。

なぜ「1億円」が境目になっているのか

冒頭でもふれたとおり、純金融資産が1億円あれば、資産運用をすることで働かずに生活していくことも不可能ではない。

資産運用には様々な方法がある。例えば、株式投資や投資信託、不動産投資、国債、金(ゴールド)などだ。1億円を元手に株式投資で年間5%のリターンを得られれば500万円、10%のリターンを得られれば1,000万円、資産が増えることになる。

もちろん投資である以上、利益を得られる可能性は100%ではなく、失敗して資産を失ってしまうこともある。リスクと隣り合わせにあるが、それでも、リターンが期待できる投資は資産を形成していく一つの有効な手段と言えるだろう。

ちなみに株式投資の場合、利益の約20%が税金として差し引かれる。500万円のリターンの場合は100万円が差し引かれて400万円が手元に残る計算だ。400万円という金額を12ヵ月で割ると、ひと月約33万円。贅沢を言わなければ、十分に生活していける金額と言えそうだ。

「ストック」と「フロー」の関係を理解しよう

このように、資産運用によって新たにお金を生みだすという感覚は、資産が豊富にある富裕層独特の感覚であると言える。別な言い方をすれば、富裕層の多くが「ストック」を有効活用して「フロー」を生みだすという視点を持ち合わせている。

ストックとは「資産」、フローとは「収入」のことを指す。富裕層は資産を有効活用して新たな収入を生みだす方法を実践し、不労所得を得ているというわけだ。しかし資産をあまり多く持っていない中間層の場合、こういった感覚を持っている人は決して多くない。

もっとも、ストックを有効活用してフローを生みだすという視点自体は、持っていて損はないだろう。生活費を差し引いたストックからフローを生みだし、そのフローをストックに再配分する。当然ストックを失う可能性はあるが、安定して利益を出せれば雪だるま式に資産を増やせる可能性が出てくる。

このように投資で生みだした利益を再投資してさらに利益を重ねていくことを「複利効果」と呼ぶ。次項ではこの複利効果についてもう少し詳しく説明する。

フローの再投資で「複利効果」を得る

投資で得られた利益がさらに利益を生むことを「複利」と呼び、フローをストックに再配分して運用することで、複利効果の恩恵を受けることができる。

例えば、投資元本が100万円、年間リターンが10%の場合、リターンを再投資することで資産は以下のように増えていく。リターンを再投資しなければ、資産が200万円に達するのは10年後となるが、リターンを再投資すれば8年後に200万円に達する。

なお、ここでは計算、比較しやすく10%としているが、年間リターン10%を10年続けるのは決して容易ではなく、10年間で全く利益を生みだせずマイナスに転じる可能性もある。リスクとリターンの関係はしっかりと理解しておこう。

時間 資産額
1年後 110万円
2年後 121万円
3年後 133万円
4年後 146万円
5年後 161万円
6年後 177万円
7年後 195万円
8年後 214万円
9年後 236万円
10年後 259万円

知識を身に付け、堅実に資産を増やしていこう

ストックを有効活用してフローを生みだし、そのフローを再投資することで資産を増やすスピードを加速できる可能性がある。思いどおりの成果が出せれば、富裕層になれる日も近づくだろう。

そしてストックとフローの関係性を理解したら、次はどのように投資を行うかが重要となる。大切な資産を目減りさせないためにも、分散投資によってリスクを抑えるといった手法も視野に入れておくべきだ。様々な知識を身に付けて、堅実な成果を目指していこう。

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株式会社ZUU

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