コラム
掲載日
2021.9.12

「分散投資」は本当に資産運用の“王道”なのか?

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

資産運用に関するコンテンツを読むと、資産運用の“王道”は分散投資である旨が記載されていることが多い。そして、分散投資の対義語とも言える「集中投資」は避けた方がよいと記載されているのをたびたび目にする。

しかし、分散投資が必須であり、集中投資は忌むべき存在だということは万人に当てはまるのだろうか。「資産運用の“王道”は分散投資である」ことを大前提に、この記事ではあえて、分散投資に疑問を投げかけてみたい。

「分散投資」と「集中投資」

まずは改めて、「分散投資」と「集中投資」について確認してみよう。

分散投資とは、資産運用におけるリスクを減らす方法の一つだ。分散投資には、資産の分散や地域の分散、時間の分散などがある。資産の分散、地域の分散は購入する商品を分散する方法、時間の分散は購入する時期を分散する方法だ。

集中投資とは、複数の資産に分散せず、限られた特定の資産に集中的に投資することを指す。保有する資産の数において、いくつまでが集中投資で、いくつ以上が分散投資といった線引きはない。しかし一般的には、一つもしくは少数の資産に資金を集中させることを指す。

集中投資は、運用成績が特定の資産の値動きに大きく左右されるため、ハイリスクハイリターンの運用方法と言われている。

資産運用の“王道”は分散投資?

投資について調べる際、「資産運用の“王道”は分散投資である」といった意見を見かけることがあるのではないだろうか。特に、資産運用初心者向けの記事などでは、呪文のように「資産運用においては分散投資が重要だ」という言葉が繰り返されている。

分散投資はリスクを低減する運用方法であるため、その記載は間違いではないだろう。しかし、あくまで“王道”であり、場合によっては“裏道”の方が合う人もいるかもしれない。

それでなくても、投資家は一人ひとり保有資産、収入、知識、家族構成、ライフスタイル、運用目標などが異なる。「アウトサイダー向けの裏道」が存在してもよいだろう。

分散投資を行うべき人

それでは、分散投資を行うべき人としては、どのような人が考えられるのだろうか。

減らさないことを重視したい人

分散投資はリスクを低減する運用方法である。従って、「減らさないことを重視したい人」には分散投資が向いていると言える。

「減らしたくないのであれば、銀行預金に預けておけばいいじゃないか」と思う人がいるかもしれない。しかし、銀行預金ではインフレによる物価上昇などによって、価値が目減りしてしまうリスクがある。「インフレに負けないくらいのリターンは欲しい」という場合は、分散投資を行うとよいだろう。

長い時間をかけて資産を安定的に形成したい人

原則として、資産運用において「リスク」と「リターン」は比例するため、リスクを低減する分散投資は、リターンも低くしてしまう。金融市場の動向によっては、分散投資でも短期間で大きなリターンが出ることがある。しかし、基本的には「長い時間をかけて資産を安定的に形成したい人」に向いていると言える。

集中投資を行うべき人

それでは、一般的には推奨されていない集中投資を行うべき人には、どのような人が挙げられるのだろうか。

短い時間で大きな資産を築きたい人

「短い時間で大きな資産を築きたい人」には集中投資が向いている。極端な例で考えてみよう。「3年で資産を10倍にしたい」という人がいるとする。この場合、日経平均株価に連動しているインデックスファンドに投資をしても、目標を達成できる可能性はかなり低いだろう。

一方、これから大きく伸びそうな中小型銘柄(いわゆるテンバガー候補銘柄)への集中投資であれば、上記の「インデックスファンドへの投資」よりは目標が達成できる確率が高いだろう。もちろん、その分リスクも大きくなることには注意が必要だ。

「インデックスファンドへの投資」と「中小型銘柄への集中投資」の比較はかなり極端な例だが、資産運用において「リスク」と「リターン」が比例する以上、リスクを下げる分散投資では、期待できるリターンも下げてしまっているのが実情だ。短期的に大きなリターンをあげたい場合は、それ相応のリスクを背負う必要がある。

銘柄の取捨選択に自信がある人

「銘柄の取捨選択に自信がある人」も集中投資に向いているだろう。

例えば、日経平均株価に連動しているインデックスファンドは、一般論として、日本の代表的な225銘柄に分散できる優れた金融商品だ。しかし、銘柄の取捨選択に自信があれば、わざわざ225銘柄に投資をする必要はない。今後、より株価が上昇しそうな銘柄にのみ集中投資をすればいい話だ。

分散すればするほど、相対的にパフォーマンスが悪い資産(銘柄)もポートフォリオに招き入れてしまうということも覚えてこう。

集中投資をするときは、リスク面にもしっかり目を向けよう

ここまで、「資産運用の“王道”」と呼ばれる分散投資にあえて疑問を投げかけ、分散投資を行うべき人と集中投資を行うべき人について見てきた。

分散投資がリスクを低減させる優れた運用方法であることは疑いようがない。一方で、集中投資はハイリスクであるものの、ハイリターンも期待できる。それぞれメリット、デメリットがあることを念頭に置き、自分の知識量や目的に合わせて投資戦略を立てていくとよいだろう。

Writer

株式会社ZUU

家族や友達にシェアする

コラムの注意事項

本コラムは一般的な情報の提供を目的としており、当社にて取り扱いのない商品に関する内容も含まれています。

当社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づきますが、その正確性や確実性を保証するものではありません。

外部有識者の方にも本コラムを執筆いただいていますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。

本コラムの記載内容は、予告なしに変更されることがあります。

ページの先頭に戻る