コラム
掲載日
2021.5.17

老後の資産寿命に備える「リバースモーゲージ」×「家族信託」

Writer

オリックス銀行 家族信託サポートデスク

コンサルタント 赤塚 豊

老後の資産寿命に関連して、最近注目されている「リバースモーゲージ」。

今回は、一般的なリバースモーゲージから、認知症などによって親の判断能力が低下し、自身でローン返済や物件売却ができないことに備える「家族信託」について解説します。

1.リバースモーゲージとは

自宅を担保に、自宅に住み続けながら借り入れを受けるシニア向けローンです。一般的なローンとは返済方法が異なり、借入枠内で借り入れを受け、存命中は毎月利息のみを支払います。元金は、死亡後に担保不動産を売却または相続人の資金で一括返済します。

2.リバースモーゲージのメリット

①住み慣れた自宅に住み続けることができます。

②月々の返済額が利息のみ。

③一定の老後資金を定期的または一括で確保することができます。

3.リバースモーゲージのデメリット

①同居家族がいた場合、相続人が現金で元金と利息を一括返済できなければ家族の住む家がなくなります。

②資金使途は老後の生活資金等に限定されており、事業資金や投資目的での利用はほぼ認められていません。

4.リバースモーゲージのリスク

①金利上昇リスク(変動金利の場合)

  • 金利上昇により毎月の返済額が増えることがあります。

②評価額下落リスク

  • 借入額は契約時の担保(不動産)評価額に応じて決められます。 契約後は、一定期間ごとに担保価値を見直し、借入限度額も見直します。
  • 借入限度額が下げられ、借入残高が限度額を上回った場合には、差額を返済しなければなりません。
  • 債務者が亡くなったときに、担保物件の価格が想定よりも低くなり借入額に満たない場合は、足りない分の返済を相続人が負担しなければなりません。

③認知症発症によるリスク

  • リバースモーゲージによる借り入れをした親が、認知症などで判断能力が低下すると、契約期間中の物件売却が原則できなくなります。また、銀行が口座の入出金を停止することがあり月々の返済ができなくなる場合があります。

5. 認知症発症によるリスクに備える「家族信託」を組み合わせる!

リバースモーゲージによる借り入れの際にも「家族信託」を活用することができます。信託契約により、受託者に管理・処分権を与え、必要に応じて受託者が不動産を売却することが可能になります。

①委託者と受託者が信託契約を締結し、受託者は自宅の管理・処分権を持ち、物件売却や売却代金による借入金の一括返済などの手続きができるようになります。

②銀行(金融機関)は自宅に担保を設定し、委託者に融資します。

③委託者は毎月利息のみを返済します。

④契約期間中に受託者が不動産を売却する場合は元金と利息を一括返済します。

⑤委託者が死亡した場合、清算受託者が自宅を売却し、元金と利息を一括返済します。残債務がある場合は、相続人が現金で元金と利息を一括返済します。

リバースモーゲージにはさまざまなリスクがあります。単純に毎月の返済額が少ないからと借り入れるのではなく、専門家に相談し、リスクを想定しながら、推定相続人を含む関係者と合意のうえで契約することが重要です。

赤塚 豊

Writer

オリックス銀行 家族信託サポートデスク

コンサルタント 赤塚 豊

オリックス銀行入社後、不動産管理信託、遺言代用信託、合同運用指定金銭信託などを担当。全国の信託契約代理店向けに相続商品に関する講師を務め、個人のお客さま向けにも相続セミナーを開催。相続コンサルタントとして、多くのお客さまからの相続に関する相談に応じて、アドバイスや家族信託の組成の提案を行っています。

【相続コンサルタントとしての信条】

お客さまに「誠心誠意」「信頼される」を基本精神に、過去の経験や知見をもとに最適な提案を心掛けています。

【保有資格】

家族信託専門士、家族信託コーディネーター、相続アドバイザー、1級建築士、1級施工管理技士、宅地建物取引士(合格者)、ファイナンシャルプランナー(AFP)他

【趣味】

日本全国各地の神社・仏閣巡り

コラムの中でいろいろなエピソードを紹介したいと思っています。

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