コラム
掲載日
2021.03.13

年収600~800万円でも貯蓄なし?「それなりの生活水準」のリアル

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株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

「世帯年収600~800万円」と聞くと、ある程度生活に余裕がある印象だが、現実と理想は違うようだ。「ある程度生活にゆとりはある」「現状の生活に特に不満はない」が、裏を返せば「支出が多くて貯蓄はできない」「将来を考えると不安」という声もある。

今回は、キャリコネニュースなどに寄せられた年収600~800万円世帯の生の声から、世帯年収600~800万円のリアルな生活をのぞいてみよう。

600~800万円の世帯はわずか1割強

まずは世帯年収600~800万円が本当に平均以上の所得なのかどうか、年収別の世帯の割合比較してみる。

厚生労働省の「国民生活基礎調査2019年」によると、日本の世帯年収の平均は552 万 3,000円、中央値は437万円。以下の表を見ると、全世帯の61.1%が平均所得以下で、600~800万円の世帯は14.3%しかいないことが分かる。

<所得金額階級別世帯数の相対度数分布>
世帯年収 世帯数の相対度数
200万円未満 19%
200~300万円 13.6%
300万~400万円 12.8%
400万~500万円 10.5%
500万~600万円 8.7%
600万~700万円 8.1%
700万~800万円 6.2%
800 万~900万円 4.9%
900 万~1,000万円 4.0%
1,000万円以上1,500万円未満 8.8%
1,500万円以上 3.3%

世帯年収300~500万円と600~800万円の平均貯蓄額は大差ない?

世帯年収600~800万円が平均以上の所得であることが分かったところで、次に気になるのは貯蓄状況だ。総務省統計局の「家計調査報告2019年」によると、二人以上の世帯の平均貯蓄額は1,755万円だ。

以下の年収別の表で比較すると、600~800万円の世帯の平均貯蓄額は平均前後の1,668万~1,757万円。意外なことに、年収300~500万円の世帯の平均貯蓄額とそれほど大差はない。貯蓄が極端に増えるのは、1,000万円以上の世帯だ。

世帯年収入別の平均貯蓄額
年収 世帯全体の貯蓄額
200万円未満 990万円
200万~300万円 1,255万円
300万~400万円 1,627万円
400万~500万円 1,626万円
500万~600万円 1,465万円
600万~700万円 1,757万円
700万~800万円 1,668万円
800万~900万円 1,744万円
900 万~1,000万円 1,889万円
1,000万円以上1,500万円未満 2,462万円
1,500万円以上 4,594万円

老後資金の不安は「それなりの生活水準」が原因?

年収が半分の世帯と貯蓄額が変わらない…一見不可解に思えるが、「年収600~800万円の世帯は支出も多い」ということにほかならない。切り詰めているつもりでも「それなりの生活水準」を維持しようとすると、どうしても貯蓄に回せる金額は少なくなる。

「それなりの生活水準」といっても絶対的な基準があるわけではなく、家族構成や生活スタイル、個人の価値観などによりその基準は異なる。そのため、「生活に不満はなく貯蓄もしている」「欲しいものが躊躇なく買える」「東京郊外だが持ち家と外車を所有している」世帯もあれば、「子どもにお金がかかって、夫婦のものは買えない」「毎月なんとかやり繰りをしているが貯蓄はゼロ」「支払いが多くて老後資金が貯められない」という世帯もあるなどさまざまだ。

しかし、住宅ローンや子どもの学費、老後資金への不安を多少なりとも抱えている点は、どの世代にも共通する。「配偶者の所得が少ないため、老後は年金だけでは暮らしていけない」「年収が100~200万円上がれば精神的に余裕ができる」「塾代を含めた教育費に頭を悩ませている」など、「お金の心配をしなくても一生安泰」という生活とはほど遠いようだ。

固定費の見直しに「ゆとり格差」の可能性

同じ年収でも「ゆとり格差」があるのはなぜか?そのカギは、支出で大きな割合を占める固定費(住宅ローンや保険料など、毎月支払う一定の費用)が握っている。極端な例を挙げると、住宅ローンを毎月返済している世帯と住宅ローンを完済している世帯では、貯蓄に回したり自由に使える金額に大きな差がある。

そこで重要になるのが、固定費の見直しだ。各種ローンや光熱費や通信費、保険料などを金利や掛け金の低いものに乗り換える、スポーツクラブの会員権や商品・サービスの定期購入など、利用頻度の低い・本当に必要でないものは思い切って解約するなど、「固定費の無駄」を削減することで生活水準を維持しつつ少しでも多く貯蓄できる。

円満な家庭のために…家計簿共有などでお金を賢く管理

世帯年収を問わず、お金の問題は夫婦げんかの原因のトップ10 だ。「金の切れ目が縁の切れ目」というが、金銭トラブルがこじれて離婚に発展する夫婦も少なくない。円満な家庭のためにも家計をしっかり見直し、長期的な貯蓄計画を立てる必要がある。

年収600~800万円の世帯からは、「家計を助けるために妻に働きに出てほしいが、妻は専業主婦にこだわる」「夫は自由に自分の給与を使っているのに、自分のパート収入は全て家計費に消える」など、経済的負担が片方に偏ることに対して不満の声も上がっている。

近年は便利で手間なく家計が管理・共有できる、さまざまな種類の家計簿アプリを利用する夫婦も増えている。お金の流れを把握して貯蓄計画を立てやすくなるほか、家計に関するお互いの不満について話し合うきっかけにもなる。

また、低リスクで少額から投資できる投資信託など、資産運用で効率的にお金を増やす方法について夫婦で一緒に調べたり話し合ったりすると、絆を深める機会にもなるだろう。

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