コラム

投資信託にはご注意いただきたい事項があります。くわしくは「投資信託の注意事項」をご覧ください。

掲載日
2021.3.6

確定拠出年金の運用先はどう選ぶ?運用のポイントは?

Writer

株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

確定拠出年金は、老後のための資産づくりに役立つ制度です。「会社で案内を受けた」「最近iDeCoという名前を知った」という方も多いのではないでしょうか。確定拠出年金では、自分で投資先を選んで運用することが求められます。まずは選び方や運用のコツを押さえておきましょう。

確定拠出年金とは?そもそも確定拠出年金で運用すべき?

そもそも確定拠出年金とはどのような制度なのでしょうか。制度を利用するべきなのか、根本的なところから確認しておきましょう。

確定拠出年金とは

確定拠出年金は、将来受け取る年金を自分で運用して作るための制度です。国民年金や厚生年金など国が運営する「公的年金」に上乗せして加入することができ、「私的年金」や「年金の3階部分」と呼ばれることもあります。

(出典:厚生労働省)

毎月一定の金額を積み立てて運用していき、老後を迎えたらそのお金を受け取ることができます。毎月「拠出」する金額が「確定」している「年金」だから、確定拠出年金です。受け取れる金額は、それまでの運用成果に応じて決まります。運用がうまくいくほど、受け取れる金額が多くなります。

「確定拠出年金」とは別に、「確定給付年金」という制度もあります。名前は似ていますが、こちらは将来「給付」を受けられる金額が「確定」している「年金」です。

企業が従業員向けに取り入れる年金制度としては、企業が運用先を選定する「確定給付年金」の方がかつては主流だったのですが、近年は運用先選びを従業員個人に任せる「確定拠出年金」を導入する企業が増え、その数は逆転しています。

企業型DCと iDeCo

企業が従業員のために用意している確定拠出年金制度のことを「企業型 DC」、個人が自分で自分のために利用する確定拠出年金制度を「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と呼んでいます。

iDeCoは20歳以上60歳未満であれば、基本的に誰でも加入できるようになっていますが、企業型 DC は勤務先の会社がその制度を導入していないと加入することができません。

(出典:厚生労働省)

また、自分の勤務先が企業型 DC を導入しているかどうかによって、iDeCoで拠出できる金額の上限が変わってきます。会社員の方は自分の会社で導入されている年金制度がどのようなものか確認しておきましょう。

(出典:iDeCo公式サイト)

確定拠出年金は老後の資金準備に活用できる

確定拠出年金制度を利用することで、老後の資金準備を効率的に行えるようになります。

たとえば企業型 DC であれば、掛金を出すのは基本的に企業です(従業員側も拠出できる場合もあります)。iDeCoであれば、掛金を出すのは自分ですが、出した金額は全額所得控除の対象になります。その他にも、投資の運用益が非課税になる、受け取る時にも控除が受けられるなど、税金がお得になるメリットがあります。

今後投資を考えているのであれば、独自に行うよりもこれらの制度を活用して行った方が有利です。

確定拠出年金はどうやって運用する?

確定拠出年金制度では、企業型 DCでもiDeCoでも、どうやってお金を運用していくか自分で考える必要があります。

運用のメリットと注意点

お金をコツコツと積み立てて適切に運用することで、老後のお金を効率よく準備することができます。

1つめのグラフを見ると、預金だけで用意するより少しでも運用していった方が、目標金額に手が届きやすくなるということがわかります。

2つめのグラフでは、投資する期間が長くなるほど差が大きくなることがわかります。これは「複利」の効果によるものです。期間が長いほど・元手資金が多いほど・運用利回りが高いほど、お金が増えやすくなります。

自分で運用するということは、うまくいけば元手のお金よりも受け取るお金を大きくすることが可能です。しかし、失敗すれば手元に残るお金が少なくなる可能性もあります。

元本割れ(投資後の金額が投資前を下回る状態)になる可能性がゼロではない、という点がデメリットです。ただ、リスクを抑える方法はいくつかあります。後述しますが、うまくリスクをコントロールしながら取り組むことが大切です。

運用先として選べるのはどんなもの?

企業型DCでは、あらかじめ会社が用意した選択肢の中から選びます。iDeCoの運用先として選べるのは、大きく分けて次の2種類です。

  • 元本保証商品
  • 投資信託

それぞれの内容や特徴について見ていきましょう。

①元本保証商品

元本保証とは、元本割れの状態にならない、つまり「投資によってお金が減ることはないと保証された商品」のことです。具体的には、定期預金や保険が挙げられます。

銀行の定期預金は、利用したことがある方も多いのではないでしょうか。一定期間預けておくと普通預金よりも高い利息が付与される預金のことです。今は低金利の時代ですので、たとえば某銀行の定期預金の利率は0.002%など、なかなかお金が増えにくい状況にあります。ただ、お金が減るのを避けたい方にとっては魅力的に映るかもしれません。

②投資信託

投資信託とは、多数の投資家が出し合ったお金を1ヵ所にまとめ、それを運用のプロが株式や債券、不動産などさまざまな運用先に分散させて運用する商品のことです。

個別銘柄の分析やお金の割り振りをプロ任せにできることもあり、数ある投資の中でも特に初心者向きといわれています。投資信託には元本の保証はありませんが、その代わり、定期預金や保険よりも高いリターンが見込めるものが多数あります。

運用先の選び方は?

自分のお金をどう運用するべきなのか、多くの方が迷うところだと思います。特に今まで投資をしたことがない方にとっては、難しく感じるかもしれません。そんなときは次のように考えてみましょう。

リスクとリターンを考える

投資では、高いリターンを求めるならリスクが高くなり(ハイリスク=ハイリターン)、リスクをできるだけ抑えようとすれば期待できるリターンが少なくなる(ローリスク=ローリターン)が原則です

リスクとリターンのちょうどいいバランスは、人によって違います。どれくらいお金を増やしたいのか、どの程度までお金が減ってしまっても大丈夫なのか、自分の家計や価値観を整理して考えてみましょう。

できるだけ具体的に、何年後にいくら用意したいのか考えてみると、その目標を達成するためにいくらずつどれくらいの利回りで運用する必要があるのか逆算できますよ。

「減らない」重視なら、定期預金&保険

  • お金はあまり増えなくてもいいから、減らさないようにしたい
  • 投資経験がなくて不安なので、慣れるまではリスクを出来る限り抑えたい

上記のような方は、定期預金や保険で運用すると安心できるでしょう。

「増やす」重視なら、投資信託

  • 比較的お金に余裕があって、多少減っても問題ない
  • 安定した雇用や収入があるので、投資ではリスクを取っても構わない
  • まだ若く、失敗しても挽回できる時間があるから積極的に挑戦したい

上記のような方は、投資信託を取り入れてお金を増やすことを目指しましょう。

投資信託選びのポイント

投資信託についてもう少し詳しく見てみましょう。実は、同じ「投資信託」という商品の中でもさまざまな種類があり、ハイリスク=ハイリターンなものもあれば、ローリスク=ローリターンなものもあります。

投資信託を選ぶときには、まず次の3点を確認しましょう。

・投資する資産(何に投資するのか)

低  ← リスク&リターン →  高
債券 不動産 株式

・投資するエリア(どこに投資するのか)

低  ← リスク&リターン →  高
日本国内 先進国 新興国

・投資方針(どんな風に投資するのか)

低  ← リスク&リターン →  高
インデックス型 アクティブ型

たとえば、リスクを抑えたい場合は「日本国内の債券を中心に投資するインデックス型ファンド」を選ぶ、利益を狙いたい場合は「先進国の株式に投資するアクティブ型ファンド」を選ぶ、といった具合で、自分の希望する投資に合わせて選択できます。

下の図の右上に行くほどハイリスク・ハイリターン、左下に行くほどローリスク・ローリターンになります。

ちなみに図中の「バランス」とは、国内も海外も、債券も株式も、あらゆる投資対象を含めてバランスよく投資することを目指す投資信託のことです。

バランス型の投資信託1本だけで、さまざまな銘柄に投資したのと同じ分散投資の効果を得られるため、「自分で選ぶ自信がない」「どこの何に投資するかも含めてプロに任せたい」という方はこうしたものを選ぶのも1つの方法です。

複数を選んで組み合わせることもできる

運用先はどれか1つに絞る必要はありません。複数を組み合わせて使うこともできます。

たとえば……

・確実にお金を減らさないようにするなら

……定期預金100%

・ローリスク・ローリターンで堅実に行くなら

……定期預金50%、国内債券の投資信託40%、その他投資信託10%

・間を取ってミドルリスク・ミドルリターン

……国内株式の投資信託30%、海外株式の投資信託30%、海外債券の投資信託20%、国内債券の投資信託10%、定期預金10%

・攻めのハイリスク・ハイリターン

……海外株式の投資信託50%、国内株式の投資信託30%、海外債券の投資信託20%

上記はあくまで一例です。どれをどのくらいの割合で組み合わせるのか、自由に選択できるため、自分の価値観や投資の目的などに合った戦略を練りましょう。

運用先は途中で変えることもできる

確定拠出年金の運用は、数年もしくは数十年単位の長期的な視点で取り組むことが重要です。基本的に同じ投資先への投資を毎月続けることになりますが、途中で投資先を変えたり、お金の割り振り方を変更したりすることも可能です。

配分変更とスイッチング

確定拠出年金で運用しているあいだ、状況に応じて「配分変更」や「スイッチング」という手続きができます。

・配分変更

配分変更とは、毎月お金を投入している運用先を変更することです。「今後の運用方針の変更」ともいえます。

・スイッチング

スイッチングは、現在保有している定期預金や投資信託などを解約・売却して運用商品のバランスを変更することです。配分変更が「今後」の変更なのに対し、スイッチングは「今まで」の変更です。

配分変更やスイッチングのタイミング

配分変更もスイッチングも、今はオンラインでいつでも手続きできる場合が多いです。ただ、あまり頻繁に変更するのはおすすめしません。

一時的な相場の値動きに焦って、相場が下がっているときに売って相場が上がっているときに買ってしまっては、自分から損失を作りにいっているようなものです。

あくまで、老後までの長期的な運用をするために利用している制度だということを忘れず、あまり日々の値動きに一喜一憂しないようにしましょう。場合によっては、スイッチングするたびに手数料がかかることもあります。

では、配分変更やスイッチングはどんなときに行えばよいのでしょうか。それは、以下のようなタイミングです。

①自分や家計の状況が変わったとき

自分や家計の状況が変わると、運用方針が変わることがあります。

たとえば、最初は投資に不安があってほぼ定期預金だけで運用していた方が、慣れてきたり収入が上がって余裕が出てきたりしたことで、「もう少しリスクを取ってみよう」と投資信託の比率を上げるケースがあります。

多少失敗してしまってもまだ挽回できる時間がある若いうちは、海外株式の投資信託などをメインにリスクを取って運用して、そろそろ受け取りの時期が近づいてきた50代後半になったら、今まで増やしてきたお金を減らさないように定期預金や日本国債を中心とする投資信託に多めにお金を配分する、というのもよく取られる戦略の1つです。

前回設定時から生活環境が変わったり運用の方向性を変えたくなったりしたら、配分変更やスイッチングを検討しましょう。

②当初の運用方針とズレが生じてきたとき

運用方針は変わっていなくても、実際の運用結果と方針のあいだでズレが生じてくる場合があります。たとえば、「海外株式の投資信託50%、国内株式の投資信託30%、海外債券の投資信託20%」で運用する方針だった人がいたとします。

海外株式の上昇が特に激しい状態で何年も継続して運用していると、「海外株式の投資信託60%、国内株式の投資信託25%、海外債券の投資信託15%」のように、過去に積み立ててきた資産の中で海外株式の投資信託の存在感だけが大きくなり、当初の想定よりもリスクを取りすぎている状態になってしまいます。

当初の方針と実際の運用結果のズレを調整するために配分変更やスイッチングを行うことを「リバランス」といいます。「1年に1回」「運用報告書が届いたとき」など、定期的にこのままの運用で問題ないのか進捗や方向性を確認する時間を取ることが大切です。そして、必要であれば適宜リバランスしていくようにしましょう。

ちなみに、配分変更もスイッチングも両方行いたい場合は、2つの別々の手続きが必要です。

拠出金額の変更もできる

iDeCoでは、原則60歳まで積み立てたお金を引き出すことができませんが、毎月いくらずつ積み立てるかという設定は途中で変更可能です。

収入が上がったり子どもが独立したりして生活に余裕が出てきたら積立額を増やす、逆に収入が減って生活が苦しくなったら積立を一時停止したり積立額を減らすといった具合に対応できます。基本的に毎月一定額を積み立てることになっていますが、月ごとに異なる金額を設定したり、年払いや半年払い、ボーナス払いなどに変更したりすることもできます。

ただし、積み立てる金額(拠出額)の変更は1年に1回しかできませんので注意しましょう。

確定拠出年金制度を使って、来たる老後に備えよう

確定拠出年金は、老後の資金準備をするために役立つ制度です。手間がかかるように見えるかもしれませんが、一度運用先を選んで設定しておけば、その後は基本的に積立と運用が自動的にされていきます。

数年先・数十年先を見据えて、自分の考え方にあった運用先を選び、少しずつ取り組んでいってみてはいかがでしょうか。

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株式会社ZUU

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