コラム
掲載日
2021.3.29

寄付先の選び方
信頼できる団体選定の手順

Writer

遺贈寄附推進機構 代表取締役、全国レガシーギフト協会 理事

齋藤 弘道 氏

ご自身の財産を社会のために役立てたいと思っても、「寄付した財産が本当に有効に使われるのか」「どの団体に寄付するのがベストな選択なのか」「信頼できる寄付先のリストはないのか」「誰に相談したら良いのか」などに悩み、一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。遺贈寄付の心理的な抵抗となる課題について考えていきます。

遺贈寄付に対する不安は何か

遺贈寄付する意思はあるのに、実際に遺言書を作成する等の行動を起こさない理由は単に「手続きが面倒だから」なのかもしれません。しかし、その背景にある心理的抵抗にはどのようなものがあるのでしょうか。「遺贈寄付に関する不安点」についてヒアリングした調査では、以下のグラフのような結果となっています。

(日本承継寄付協会「遺贈寄付に関する実態調査」をもとに作成)

この結果のうち「団体の信頼性」「誰に相談」の問題は、「寄付先の選定」の問題につながります。遺贈寄付をしようにも「どこに寄付したら良いのか分からない」状態とも言えます。逆に考えれば、非営利団体に詳しい適切な相談窓口が寄付先選定の相談に応じてもらえれば、寄付者は迷わずに済むことになります。

しかし、日本には非営利団体(NPO法人・公益法人・一般社団財団法人・社会福祉法人)が10万団体以上あります(2019年1月29日のコラム「終活は本当に必要なの?」をご参照)。学校法人や宗教法人も加えると30万団体を超えます。ときどき「寄付先のリストはないのか」と聞かれることがありますが、公開された財務情報を集約しても営利企業とは異なりますので、非営利団体の信頼性を表しているとは言えません。多数の非営利団体の実態を常時ヒアリングし、適切な団体としてリスト化することはほぼ不可能です。そこで、団体に関する情報を把握できるネットワークを構築して、寄付者のニーズに合う団体を探し出し、その団体の情報を提供する仕組みが求められています。

助成プログラムを立案して地域の団体に助成する活動を行っているコミュニティ財団や公益財団法人(中間支援組織と呼ばれています)は、その活動を通じて数多くの団体の実態を把握しています。こうしたコミュニティ財団等に寄付先選定の相談をするのも良いでしょう。全国レガシーギフト協会(別窓)では、寄付先選定の相談に応じるコミュニティ財団等を「相談窓口」としてご案内しています。

寄付先選びの4つのSTEP

遺贈寄付をするための手続きの流れは、2019年1月29日のコラム「遺贈寄付を思い立ったら」で紹介しました。寄付先選定の前に、自分の人生を振り返り、何に共感し、どのような活動を応援したいのか等を整理しておきましょう。そのうえで、「相談窓口」などで、次の4つのステップに基づいて寄付先を選ぶ方法があります。

STEP1は「寄付する分野を選ぶ」です。ご自身が共感し、応援したい分野を探します。内閣府の「NPO法人ポータルサイト」(別窓)に、下表と同じ区分の活動分野別にNPO法人が掲載されています。

STEP2は「寄付する地域や規模を選ぶ」です。身近な地域の団体が良いのか全国規模が良いのか、大きな団体が安心感があって良いのか比較的小さな団体が寄付の実感があって良いのか、などを考えます。

STEP3は「寄付する条件や手段を選ぶ」です。不動産遺贈や包括遺贈を受ける団体は限られています。また遺言以外の方法が良い場合もあります。希望に合う条件や方法を検討していきます。

STEP4は「寄付する方法を選ぶ」です。個別の団体に直接寄付する方法と、中間支援組織への寄付を通じて支援する方法があります。寄付の規模によっては、基金や財団設立が適している場合もあります。

コミュニティ財団等への遺贈寄付する選択肢

上記のSTEP4で「中間支援組織への寄付を通じて支援する方法がある」とご紹介しましたが、コミュニティ財団等の中間支援組織へ遺贈寄付すると、次のようなメリットがあります。

長期にわたって支援することができる
財団の助成プログラムを通じて応援したい活動を長期間支援することができます。
将来の時代に合った課題や団体に活用される
寄付したお金が、時代の変化に応じて適時適切に最も必要な活動に利用されます。
比較的小規模の活動を支援することができる
応援したい団体が小さい場合でも、財団を通じて支援できるので安心です。

寄付先を選定する際に、コミュニティ財団等も選択肢として検討されてはいかがでしょうか。

Writer

遺贈寄附推進機構 代表取締役、全国レガシーギフト協会 理事

齋藤 弘道 氏

みずほ信託銀行の本部にて遺言信託業務に従事し、営業部店からの特殊案件やトラブルに対応。遺贈寄付の希望者の意思が実現されない課題を解決するため、弁護士・税理士らとともに勉強会を立ち上げ(後の全国レガシーギフト協会)。2014年に野村信託銀行にて遺言信託業務を立ち上げた後、2018年に遺贈寄附推進機構株式会社を設立。日本初の「遺言代用信託による寄付」「非営利団体向け不動産査定取次サービス」等を次々と実現。

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