コラム

投資信託にはご注意いただきたい事項があります。くわしくは「投資信託の注意事項」をご覧ください。

掲載日
2021.2.14

投資信託は税金がかかる?
確定申告は必要?投資前に知っておきたい税の話

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株式会社ZUU

(画像=PIXTA)

投資先として投資信託を選んだ方、あるいはこれから投資を始めようと思っている方の中には「税金はどうなるのだろう」という疑問を抱えている方もいることだろう。今回は、投資信託には税金がかかるのか、確定申告の必要はあるのかなど、投資信託にまつわる税金について詳しく解説していく。

投資信託に税金はかかる?

最初にはっきりさせておくと、ずばり投資信託には税金がかかる。もう少し正確に言うと、投資信託での運用がうまくいった結果得られる「利益」が課税対象になる。その仕組みを詳しく見ていこう。

投資信託の仕組みと課税される利益

投資信託とは、多数の投資家がお金を出し合い集まったお金を、運用のプロが株式や債券などさまざまな投資対象に分散して投資し、その投資で得られた利益を投資家に還元するという仕組みの運用商品である。

少額でも取り組める、プロに任せて分散投資ができるなどの理由から、投資初心者にも人気がある。投資信託で得られる利益には、譲渡益と分配金の2種類がある。その2つについて、詳しく見ていこう。

投資信託で得られる利益1.譲渡益

投資信託は、株式と同じように価格の変動がある。自由に売買できるため、安いときに買って高いときに売れば、その差額が利益になる。これが「譲渡益」だ。

投資信託で得られる利益2.分配金

投資信託を保有していると、その出資している金額に対して、決算ごとに「分配金」というお金が受け取れる。株式投資でいう「配当金」に似ているが、仕組みが異なるため注意したい。

分配金には「普通分配金」と「特別分配金」があり、税金のかかり方も違ってくる。

普通分配金と特別分配金の違い

普通分配金とは、運用がうまくいって利益が出た分を各投資家に分配するお金である。「元本よりもプラスになった分の分け前」であるため、これは当然ながら課税の対象になる。

一方、特別分配金は「元本払戻金」とも呼ばれるもので、元本を下回った場合に分配されるお金である。こちらは運用の利益ではなく、元本が払い戻されただけでプラスにはなっていないため、非課税となる。

分配金受取型と分配金再投資型の違い

分配金の受け取り方法には「直接受け取るタイプ」と「投資の原資として再投資するタイプ」の2種類があるが、どちらも普通分配金が出たタイミングで課税される。再投資型を選んでいる場合、分配金が手元に来た実感がないかもしれないが、税金はかかるため要注意だ。

自分の分配金は普通?特別?いくら?確認方法

自分が受け取った分配金がどちらに該当するのかは、自分が取引している証券会社等から送られてくる「分配金・償還金のお知らせ」やマイページの口座明細などを見れば確認できる。

1年に1回(多くの場合1月中旬)送られてくる「年間取引報告書」には、分配金や譲渡益のほか、手数料や税額など1年間の取引結果が記載されている。届いたら目を通して、捨てずに保管しておこう。

投資信託の税率は何%?

投資信託の利益にかかる税率は、「20.315%」となる。内訳は次の通りだ。

  • 所得税:15%
  • 復興特別所得税:0.315%
  • 住民税:5%

復興特別所得税は、2014年から2037年までの期間限定で設定されている。20.315%という税率は譲渡益でも普通分配金でも変わらず、株式投資の税率も同じである。

例えば運用がうまくいって、手数料を引いた後に残る利益が100万円だった場合、税金は20万3,150円かかるということだ。手元に残るお金は税金を引くと約80万円となるため、なかなか大きな負担だと感じる方が多いかもしれない。

ただ、投資信託の利益を非課税にできる制度もある。条件を満たせば税金がかからずに済むため、投資信託への投資を考えるならぜひ知っておきたい制度だ。次章で詳しく解説していく。

投資信託するなら知っておきたい!税金を非課税にする制度

通常は約20%かかる投資信託の税金を非課税にできる制度が、「NISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」 だ。

これらの制度を利用しているかどうかで、手元に残るお金が大きく変わってくることもある。後述するが、確定申告の有無にも影響する。基本的にはメリットの多い制度であるため、概要を知って活用できるようにしたいところだ。

非課税制度の概要とそれぞれの違い

NISAとiDeCoはどちらも、投資で得られた利益が非課税になる制度である。ただ、別々の制度であるため、利用条件や適した利用目的などが異なる。どんな違いがあるのか、ここで一度整理しておこう。

NISA(少額投資非課税制度)

NISAには、NISA・つみたてNISA・ジュニア NISAの3種類がある。それぞれ非課税で投資できる金額や期間、投資先として選べる選択肢などが異なる。

NISA つみたてNISA ジュニアNISA
加入できる人 日本に住む
20歳以上の人
日本に住む
20歳以上の人
日本に住む
0歳~19歳の人
税制優遇 投資の運用益が
非課税
投資の運用益が
非課税
投資の運用益が
非課税
非課税金額 年間120万円 年間40万円 年間80万円
非課税期間 最長5年間 最長20年間 最長5年間
投資できる銘柄 株式投資信託、国内外の上場株式・ETF・REIT(不動産投資信託)、ETN(上場投資証券)、新株予約権付社債(ワラント債) 金融庁が「長期・積立・分散投資」に適していると認めた投資信託 株式投資信託、国内外の上場株式・ETF・REIT(不動産投資信託)、ETN(上場投資証券)、新株予約権付社債(ワラント債)
お金の引き出し いつでも可能 いつでも可能 18歳までは
払出し制限あり
(2024年以降はいつでも可能)

まとまった金額で株式投資に取り組みたいならNISA、投資信託で少しずつコツコツと資産を作っていきたい初心者ならつみたてNISA、子どものために学費準備などを兼ねて運用したいならジュニアNISA、といった具合に、自身の目的や投資方針に合わせて使い分けられる。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoとは「個人型確定拠出年金」の愛称だ。正式名称に「年金」とあるように、自分で自分のお金を積み立てて運用し、老後資金をつくるための制度だ。

iDeCoは老後資金準備のための制度であるため、NISAと違って積み立てたお金は気軽に引き出すことはできない。お金が受け取れるのは原則60歳以降となっている。お金が引き出しにくい代わりに、NISA よりもさらに大きな税制上の優遇が受けられるようになっている。

iDeCoのために拠出した掛け金(毎月積み立てるお金)は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になる。所得控除の対象になるということは、所得税や住民税が安くなるということだ。中には節税のためにiDeCoに取り組んでいるという方もいる。

さらに、60歳以降にお金を受け取るときも、まとめて一時金で受け取った場合は「退職所得控除」、年金として少しずつ受け取った場合は「公的年金等控除」の対象になる。

iDeCo
加入できる人 基本的に20歳~59歳の全ての人
税制優遇 ・投資の運用益が非課税
・掛け金の全額が所得控除
・受け取り時も控除あり
非課税金額 月額1万2,000円~6万8,000円
(職業などによる)
非課税期間 60歳まで
投資できる銘柄 定期預金や保険などの元本保証商品、
投資信託(1金融機関あたり数本~40本程度)
お金の引き出し 原則60歳まで不可

投資信託の税金が気になるという方は、こうした非課税制度を利用することで出ていくお金を抑え、手元に残るお金を大きくできる。また、NISAとiDeCoは併用もできる。それぞれ上限はあるが、それでも利用する価値は十分あるだろう。

自分に合った制度を把握し、活用を検討してみることをおすすめする。

投資信託で利益が出たら確定申告は必要?3つの条件を紹介

確定申告とは、税金を過不足なく納めるために1年間(1月から12月まで)の収入や所得を計算して申告・納税することだ。「投資信託で利益が出た場合は税金が発生するということは、確定申告が必要なのかな」と疑問に思う方もいるだろう。

確定申告が必要かどうかは、条件によって変わってくる。また、する必要はないけれどもしておいた方がお得という場合もある。ややこしく感じるかもしれないが、条件ごとに紹介していくので、自分の場合はどうなのかを確認していこう。

条件1.非課税制度の枠内である

先述の NISAやiDeCoといった非課税制度を利用して利益が出た場合、「非課税」ということはどれだけ利益が出ていても税金がかからないということなので、確定申告の必要はない。

ただし、iDeCoでは掛け金が所得控除になる。この控除の適用は年末調整で済ませられるが、「年末調整のときに申告し忘れた場合」や「年末調整より後に始めた場合」などは自分で確定申告することで納税額を抑えることができる。

条件2.投資信託等で得た利益が年間20万円以下である

国税庁のホームページでは、会社員や公務員など給与所得者でも「確定申告が必要な人」の条件が公開されているが、その中の一つに以下の条件がある。

1ヵ所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

これは、会社から受け取るお金(給与や退職金)以外で、利益が1年で20万円を超えると確定申告が必要になるということだ。逆に言えば、投資信託やその他の投資の利益、副業など給与以外の所得を合わせても年間20万円以下である場合、確定申告は不要となる。

条件3.「源泉徴収ありの特定口座」で投資している

投資信託を始めるとき、金融機関で口座の種類を以下の3つから選択する。

  1. 源泉徴収ありの特定口座
  2. 源泉徴収なしの特定口座
  3. 一般口座

上記3種類のうち「源泉徴収ありの特定口座」を選択している方だけは確定申告が不要となる。なぜなら、源泉徴収ありの特定口座では、金融機関側がすでに税金の計算や徴収を済ませてくれているからだ。

確定申告が必要な場合と実際のやり方

確定申告が必須となる場合をあらためて整理すると、以下のようになる。

  • 投資信託で得た利益が年間20万円を超える
  • 口座の種類は「源泉徴収なしの特定口座」もしくは「一般口座」(NISAやiDeCoは利用していない)

この両方を満たしている方は、忘れずに確定申告をしよう。

このほか、給与収入が2,000万円を超える方などは、上記の条件を満たしているかどうかにかかわらず確定申告が必要となる。

確定申告が必要なのにしていなかった場合は、「無申告加算税」や「延滞税」など、ペナルティ的な税金を課される可能性がある。2月中旬から3月中旬の確定申告シーズンの間に申告を済ませよう。

確定申告が必要なくてもした方が得になる場合も

「確定申告しなくていいけれど、した方がお得」というパターンもある。それは投資信託への投資で損失(マイナス)が出ている場合だ。

投資でマイナスが出た場合、一般口座や別の証券会社の特定口座などで出たプラス分と相殺して税金を計算する「損益通算」という仕組みがある。この場合、申告しなくても特にペナルティなどはない。しかし申告して損益通算が適用できれば、プラスの部分にかかる税金を抑えることができるため、確定申告することをおすすめする。

また、今回だけでは相殺しきれないぐらい大きなマイナスが出てしまった場合、その後3年間にわたって相殺し続けることができる「繰越控除」という仕組みもある。こちらも確定申告をしないと利用できない。なお、NISA 口座の場合は損益通算・繰越控除いずれも不可となっている。

  • 年末調整で申告し忘れた控除がある
  • ふるさと納税の寄附金控除や医療費控除などを受ける

このような方は、確定申告すれば納めすぎた税金が返ってくるためお得になる。

確定申告の方法

最後に、確定申告の方法についても一通り知っておこう。

確定申告に必要なもの
共通して必要なもの ・利用者識別番号等の通知、または利用者識別番号が分かる書類(電子申告をしたことがある場合)
・昨年分の申告書等の控え(昨年確定申告をしている場合)
・マイナンバーカード
・マイナンバー確認書類及び身元確認書類(マイナンバーカードを持っていない場合)
・扶養者や事業専従者のマイナンバーが分かるもの(該当者がいる場合)
・申告者名義の預貯金口座番号が分かるもの(税金還付の申告をする場合)
・印章
収入関係の必要書類 ・申告する年分の給与所得源泉徴収票(給与収入がある場合)
・申告する年分の公的年金等の源泉徴収票(公的年金等を受給している場合)
・収入金額及び必要経費が分かる書類等(その他収入がある場合)※1
所得控除関係の必要書類 ・医療費控除明細書、医療費通知(原本)
・社会保険料(国民年金保険料)控除証明書等 ※2
・支払った掛金額の証明書(小規模企業共済等掛金控除を受ける場合) ※2
・保険会社等が発行する支払額等の証明書(生命保険料控除・地震保険料控除を受ける場合) ※2
・寄付した団体等から交付された寄付金受領証(寄付金控除を受ける場合) ※3

国税庁「確定申告の際にご持参いただくもの(別窓)」をもとに作成

※1 事業所得や不動産所得、山林所得がある場合は青色申告決算書か収支内訳書の作成が必要

※2 給与所得者が年末調整で控除を受けている場合は不要

※3 ふるさと納税ワンストップ特例適用者が確定申告を行う場合は、ワンストップ特例の適用は受けられなくなるため、寄附金受領証明書が必要

このほか、住宅借入金等特別控除や住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除などを受ける方は別途確認が必要だ。

「源泉徴収なしの特定口座」の方は、金融機関から「特定口座年間取引報告書」が送られてくる。そこに記載された数字をもとに手続きできるので、一般口座の方よりも簡単に済ませられるだろう。一般口座の方は、取引報告書や取引残高報告書などをもとに自分で1年分の計算をすることになる。

確定申告の時期

例年、2月上旬から3月中旬に前年1年間分を申告することになっている。2021年は2月16日(火) から 3月15日(月)までだ。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、期間が延長される措置が取られた。2021年も同様の措置が取られる可能性がある。

確定申告の手順

源泉徴収票や年間取引報告書など、1年間の収入がわかる書類を会社や証券会社などから受け取ったら、紛失しないよう保管しておく。

確定申告の時期が来たら、国税庁の「確定申告書作成コーナー」などを利用して必要な情報を入力し、提出する書類を完成させる。税務署で紙の書類を取り寄せて手書きすることも可能だが、今はスマートフォンでも手軽に作成できるようになっている。

マイナンバーカードなどがあれば、印刷や郵送も必要なくインターネット上でそのまま送信することも可能だ。これは「電子申告」や「e-Tax」と呼ばれている。

初めての確定申告では勝手がわからず手間取るかもしれないが、記載方法などの詳細は国税庁のホームページに掲載されている「手引き(マニュアル)」でも確認できる。もちろん、税務署や確定申告シーズンの出張相談窓口などで直接質問や相談することも可能だ。

(国税庁「令和2年分株式等の譲渡所得等の申告のしかた(記載例)」より抜粋)

確定申告の結果、税金を追加で納めることになった場合は、銀行口座からの引き落としやクレジットカードでの支払いなどから都合のよい方法を選択して納税を済ませる。納めすぎていた税金が戻ってくる(還付金がある)場合は、確定申告書の所定の欄に受取先の口座を記入しておく。

確定申告が必要かどうか、条件をしっかり確認しよう

投資信託への投資で得られる運用益には、約20%の税金がかかる。確定申告が必要かどうかは条件によって異なるため、自分の口座の種類や運用成果などを確認し、漏れがないようにしておきたい。

投資の利益が非課税になるNISAやiDeCoといった制度もあるので、それらを活用することを検討するのもよいだろう。

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