コラム
掲載日
2021.1.29

終活は本当に必要なの?
終活で「すべきこと」と「しなくても良いこと」

Writer

遺贈寄附推進機構 代表取締役、全国レガシーギフト協会 理事

齋藤 弘道 氏

近年「終活」に関する情報が世の中にあふれています。人生の終わりに向けて、さまざまな準備をする必要があるように感じている方も少なくないと思いますが、本当に必要なのでしょうか?終活で「すべきこと」「しなくても良いこと」、「早くした方が良い人」「じっくり準備すれば良い人」について考えてみます。

「終活」とは何か

一口に終活と言っても、「死生観」「尊厳死」「終末医療」「遺影」「断捨離」「葬儀」「お墓」「相続税対策」「事業承継」「遺言」「エンディングノート」「死後事務」などさまざまなテーマがあります。どれも難しい問題であり、手間がかかりそうです。身辺整理するだけでも疲れ果ててしまいそうです。

そもそも、なぜ終活するのでしょうか。「立つ鳥跡を濁さず」と考える方もいると思いますが、多くの方は「遺族に迷惑をかけたくない」という思いから終活を実行されるのではないでしょうか。そうであれば「片付けておかないと遺族が困ること」が終活を考える際のポイントになりそうです。

実際の相続手続きでは「葬儀やお墓などの手配」「死亡届や保険金請求などの各種届け出」「戸籍謄本や預金通帳などの状況把握書類の取得」「預貯金や不動産などの解約や名義変更」「遺品や家具家財などモノの整理」などに分類されます。では、遺族が困らないために、何を準備しておくべきでしょうか。

「終活」には優先順位がある

相続手続きする遺族にとって、一番困るのは「どこに何があるのかわからない」ことです。必要な情報や書類がないと手続きに着手できず、遺族は故人の自宅を探し回ることになります。このような事態を防ぐために、優先順位をつけて終活に取り組むと良いでしょう。人によって多少違いますが、次のような順番が一般的だと思われます。

  1. 手がかりとなる書類の整理
  2. 葬儀やお墓などの手配
  3. 死後事務の手配
  4. 遺言書やエンディングノートの作成
  5. 戸籍謄本の取得
  6. モノの身辺整理
  7. その他

特に大事な①ですが、大切な書類を入れる「箱」を用意することをお薦めします。この箱には「通帳やカードのコピー」「取引残高報告書」「生命保険や火災保険の証券」「ローン契約書や保証書」「葬儀社や互助会の契約書」「不動産の権利証」「遺影用の写真」などを入れておくと良いでしょう。そして、この箱の所在を信頼できる人に伝えておくことも大切です。

特に「早く終活した方が良い人」とは

相続手続きを遺族に任せられる人は、上記の順番でじっくり終活に取り組めますが、お一人で生活されている人の場合は、上記②③④も早めに手配された方が良いと思います。②の葬儀やお墓などの手配はイメージしやすいと思いますので、③と④について解説します。

③の死後事務には、行政機関への諸届(死亡届・健康保険や年金の資格停止等)・家具家財の処分・医療費等の清算・関係者への死亡連絡・利用サービスの退会・デジタル遺品の抹消などがあります。これらの手続きを任せられる親族等がいない場合は、弁護士や司法書士等の専門家と「死後事務委任契約」を結んでおくと安心です。また、見守り契約や任意後見を併せて検討しても良いでしょう。

④の遺言ですが、配偶者や子どもがいないなど直系の相続人がいない場合には 、自分の財産の行き先に悩まれる方も多いと思います。そのような場合、お世話になった方や団体等へ財産を配分する趣旨を遺言書に記載することも可能ですので、ご検討されてはいかがでしょうか。

地域社会の支えとなる遺贈寄付

日本には数多くの非営利団体が、社会的課題の解決を目指して活動しています。公益法人とNPO法人の合計数が6万以上ですから、全国にあるコンビニの店舗数よりも多く、我々の身近な地域にも、たくさんの団体が存在しています。しかし、そのほとんどは十分な活動資金を得られていないため、活動が制限されているのが実態です。あと少しの資金があれば、課題の解決につながるのでしょう。

もし、相続財産の一部が遺言等により遺贈寄付されれば、その財産はさまざまな活動に使われ、生きたお金として循環し、地域に還元されます。さらに、寄付は「共感の連鎖」とも言われていますので、お金だけでなく善意の心も循環し、地域の未来を発展させる原動力となります。このように、遺贈寄付は地域の未来資産として、地域社会を支える存在となるのです。

Writer

遺贈寄附推進機構 代表取締役、全国レガシーギフト協会 理事

齋藤 弘道 氏

みずほ信託銀行の本部にて遺言信託業務に従事し、営業部店からの特殊案件やトラブルに対応。遺贈寄付の希望者の意思が実現されない課題を解決するため、弁護士・税理士らとともに勉強会を立ち上げ(後の全国レガシーギフト協会)。2014年に野村信託銀行にて遺言信託業務を立ち上げた後、2018年に遺贈寄附推進機構株式会社を設立。日本初の「遺言代用信託による寄付」「非営利団体向け不動産査定取次サービス」等を次々と実現。

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