コラム
掲載日
2020.07.30

毎月のみんなの貯蓄額は?
2020年こそ貯蓄体質になろう!

Writer

株式会社ZUU

年初から続いている新型コロナの影響で、ニューノーマルな社会を生きることになった。ニューノーマルな社会がどのようなものであるかは想像しにくいが、不透明な将来に貯蓄の大切さを感じた人もいるのではないだろうか。これから貯蓄していこうと決意するのはいいことだが、貯蓄体質になるにはコツを押さえておくことが重要だ。

本記事では貯蓄体質になるためのコツを紹介する。

貯蓄体質の基本は先取り貯蓄

(画像=PIXTA)

「貯蓄体質」とは、消費を抑え、貯蓄ができるようになることだ。しかし「お金を使ってはいけない」というわけではない。生活するうえでは住居費や水道・光熱費、食費、携帯電話代などさまざまな費用が必要であり、毎月給料の多くがこうした出費として消えていく。そのため、家計のやりくりをしてお金が余れば貯蓄をするという人も少なくない。

しかし、それでは支出が多い月は貯蓄できなかったり、つい言い訳をして多く支出をしたりする可能性があり、貯蓄体質とはいえないだろう。貯蓄体質になろうと思うなら「使う前に貯蓄に回す」が鉄則だ。この方法は一般的に「先取り貯蓄」といわれている。毎月給料が入ったらすぐに一定額を貯蓄に回す貯蓄法だ。

住居費や水道・光熱費、携帯電話代など、毎月払うべきものがあるように、貯蓄も給料から出ていく「費用」の一つとしてあらかじめ決めておく。貯蓄分は生活口座に置いておかず、貯蓄用商品に定期的かつ強制的に貯めていくようにする。強制的に貯めるためには先取り貯蓄の仕組みを作っておこう。給与天引きや自動振替などを利用すると簡単だ。

勤務先の会社に財形貯蓄や社内預金など、給与天引き制度がある場合には申し込むといいだろう。天引き制度がない人は、銀行の定期預金や投資信託などの積立制度に申し込むのもいい。もし自動振替日を選択できるなら給料日の直後に設定しておくのがおすすめだ。こうすることでお金を使ってしまって貯蓄できなくなる心配も減るのではないだろうか。

毎月の貯蓄額を決める

貯蓄をしていくうえで気になるポイントは「毎月いくら貯蓄すればいいか」という点だ。貯蓄額の決め方にはいくつかの方法があり、主に次の3つが挙げられる。

  • 目標金額と目標達成までの期間から毎月の貯蓄額を割り出す
  • 手取り月収の10%、20%などというように収入に対する割合で決める
  • 現在の家計状況を見直し、削減できそうな支出金額分を毎月の貯蓄額として決める

「どの選択肢が正解なのか」を追求しがちだが、あくまでも正解は人によって異なる点は押さえておこう。なぜなら貯蓄の目的や家計、世帯の状況は人それぞれに異なり、一概にどれがいいとは言えないからだ。また、新たな決意として貯蓄することを決めた場合は、つい張り切って無理をしがちになってしまうことも注意しておきたい。

貯蓄に回す額を大きくしすぎて、家計に負担がかかってしまうようでは結果的に継続が難しくなる。そこで世間の人たちはどれくらい貯蓄をしているか、参考にしてみるのもいいだろう。

金融広報中央委員会が毎年調査・公表している「家計の金融行動に関する世論調査(2019年の調査結果)」から、手取り収入のうち何%を貯蓄に回しているか年代別に見てみよう。

年代 平均 5%未満 5~10%未満 10~15%未満 15~20%未満 20~25%未満 25~30%未満 30~35%未満 35%以上
全体 8.0 8.1 15.1 18.9 4.7 7.0 1.3 2.7 2.5
20歳代 10.0 18.9 8.1 24.3 2.7 5.4 2.7 2.7 5.4
30歳代 11.0 8.8 19.4 14.8 6.4 8.5 2.5 4.9 4.2
40歳代 9.0 9.0 20.4 23.8 5.4 6.0 1.6 2.4 2.4
50歳代 9.0 10.1 15.8 23.8 6.5 6.7 1.1 3.2 1.9
60歳代 8.0 7.7 11.7 16.4 3.4 8.5 0.9 2.3 3.2

参照: 家計の金融行動に関する世論調査/二人以上世帯(2019年)※単位(%)

注: 「貯蓄しなかった」および「無回答」は除いている

例えば、30歳代の人は手取り収入(ボーナスなどの臨時収入も含む)のうち5~10%未満を貯蓄している人の割合が19.4%ともっとも多く、次いで10~15%未満を貯蓄する人が14.8%と2番目に多い。このように人によって貯蓄に回す割合は異なるが、30代の平均では手取り収入の11.0%を貯蓄していることになる。

では具体的な金額で見るとどうだろうか。あくまで平均値ではあるが、同調査で公表されている年代ごとの平均手取り収入をもとに平均的な毎月の貯蓄額を算出してみよう。

年代 平均手取り収入
(年間)
平均貯蓄割合 平均貯蓄額(年間) 平均貯蓄月額
全体 534万円 8.0% 42万7,200円 3万5,600円
20歳代 453万円 10.0% 45万3,000円 3万8,000円
30歳代 535万円 11.0% 58万8,500円 4万9,000円
40歳代 576万円 9.0% 51万8,400円 4万3,200円
50歳代 687万円 9.0% 61万8,300円 5万1,500円
60歳代 533万円 8.0% 42万6,400円 3万5,500円

参照: 家計の金融行動に関する世論調査/二人以上世帯(2019年)

注: 「平均貯蓄月額」は「平均貯蓄額(年間)÷12ヵ月」で算出

これを見て分かるように毎月4万~5万円が貯金の目安だと言えそうだ。ボーナスから貯蓄できる人はその分毎月の貯蓄額を減らすこともできる。しかし、できればボーナスは当てにせず家計の負担になりすぎない範囲で、できるかぎりの先取り貯蓄をするのが貯蓄体質になるコツだ。先取り貯蓄をしてしまえば必然的に残りの収入で家計のやりくりをしなければならなくなる。

最初はキツく感じても継続するうちに自然と無駄な支出もなくなっていくだろう。

ライフイベントごとにかかる費用相場を知っておく

毎月の貯蓄額を決めるときには、今後訪れるライフイベントの費用相場を意識しておくことも重要だろう。就職してから老後を迎えるまでの人生のうちに結婚や子どもの出生、マイホームの購入、転居などさまざまなライフイベントを迎える人は多い。一般的にそれぞれのライフイベントでまとまった費用が必要になるものだ。

人によって迎えるライフイベントの種類やタイミングは異なる。ここでは、大きな費用がかかりそうなライフイベントをいくつか取り上げ、費用相場を紹介していく。

結婚にかかる費用

結婚でかかる費用は、個人差が大きいのが実情だ。挙式や披露宴、二次会などを行わずに親族間の食事会だけで済ませたり指輪の交換だけで良しとしたりする人もいる。挙式や披露宴を行う場合でも招待客人数や料理、引き出物などの質や数量、衣装からテーブルに飾る花まで各人のこだわりによって費用は大きく変動するだろう。とはいえ多くの場合は数百万円といった大きな費用がかかる。

株式会社リクルートパートナーズが公表している「ゼクシィ結婚トレンド調査2019」によると、挙式や披露宴(披露パーティ)にかかった費用の総額は平均354万9,000円だった。実際にはご祝儀などで入る収入もあるため新郎・新婦が自己負担する金額は平均149万5,000円ということだ。なお結婚するにあたってかかる費用はこれらのセレモニー費用だけではないことも知っておこう。

新婚旅行や新居への入居にあたって家具類や家電製品をそろえたり、挙式・披露宴に出席しなかった人からのご祝儀に対するお返しをしたりする費用なども必要だ。これから結婚する人は、「どんな結婚スタイルにしたいか」について考えながら、かかる費用をイメージしてみよう。「これだけかかる」とイメージできれば自分の望む結婚式のあり方の実現に向けて貯蓄への意欲も沸くだろう。

出産にかかる費用

基本的に妊娠や出産(正常分娩)にかかる費用は健康保険が適用されないため、大きな費用がかかる。国民健康保険中央会の「正常分娩分の平均的な出産費用について(2016年度)」データによると、2016年度の正常分娩の場合で妊婦が負担した費用の合計額は平均50万5,759円だった。この中には、入院料や差額室料、分娩料、新生児管理保育料などさまざまな費用が含まれる。

しかし、病院の設備やサービス、分娩方法によってかかる費用に幅があり、正常分娩では30万~70万円程度かかる場合もある。実際には健康保険から出産一時金として42万円が支給されるため、差し引きすると実質自己負担平均は10万円程度となる。しかし、出産前後でさまざまな出費が発生することも覚えておこう。

新生児と一緒に自宅に戻れば、産着やオムツ、おしりふきなどの出費が絶えず必要になる。内閣府が行った「インターネットによる子育て費用に関する調査(2009年)」によると0歳児の子育て費用平均として、年間93万1,246円かかっている。出産費用の実質自己負担平均額と合わせると、出産からの1年間で約100万円程度のお金が必要になることを知っておきたい。

子どもの教育にかかる費用

教育資金は子ども1人あたり1,000万円かかるといわれている。しかし、実は幼稚園~大学までの進学コースによってもかかる費用は大きな差が出てしまう。文部科学省の調査をもとに幼稚園から大学までの進学パターン別に、かかる平均費用を確認していく。

幼稚園 小学校 中学校 高校 大学 合計
ケース1
(すべて国公立)
約65万円 約193万円 約146万円 約137万円 約243万円 約784万円
ケース2
(幼稚園のみ私立)
約158万円 約193万円 約146万円 約137万円 約243万円 約877万円
ケース3
(高校、大学のみ私立)
約65万円 約193万円 約146万円 約290万円 約459万円 約1,153万円
ケース4
(すべて私立)
約158万円 約959万円 約422万円 約290万円 約459万円 約2,288万円

参照: 文部科学省「子供の学習費調査(2018年度)/調査結果の概要」、「国公立私立大学の授業料等の推移」および「「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

2019年10月からは幼児教育無償化、2020年4月からは私立高校の授業料実質無償化などが実施されており、表中の平均額よりも教育費が下がる可能性はある。しかし、無償化の恩恵を受けるには所得制限もある。多くの人にとっては教育費が多額であることは変わらないだろう。

貯蓄があれば急場もしのげる

さまざまなライフイベントにかかる費用を目標に貯蓄に励むことは重要だ。しかし、不測の事態に備えて別途「緊急予備資金」を貯めることを忘れないようにしよう。緊急予備資金は病気やケガで休業したり万一の失業などで収入が途絶えたりした場合など、非常事態に備えておくべきお金のことだ。非常事態の程度にもよるが最低でも生活費の6ヵ月分程度は確保しておくべきだろう。

確保できればそのお金は非常時まで使わず置いておき、非常時に使ってしまえば、また優先して貯めていく。もちろんライフイベントに必要な費用も貯めていかなくてはならないため、消費を抑えしっかりと貯蓄ができるように貯蓄体質になっておくことが必要だ。

積極的にお金を増やすには

貯蓄体質になるにつれて、お金が増えていくことが楽しく感じるようになるだろう。それが先取り貯蓄の効果の一つでもあるが、より効果的に貯蓄していくために目的に合わせて金融商品を使い分けよう。

例えば、緊急予備資金はいつ非常時が訪れてもすぐに引き出しできることが大切だ。低金利の昨今、多くの利息は期待できないが会社の財形貯蓄や銀行の定期預金などで先取り貯蓄をしていこう。

まだ少し先のライフイベントには、効率よくお金を増やすことを目指し、預貯金よりも高い利回りを望める投資信託などで資産運用してみることも考えてみてはいかがだろうか。先取り貯蓄で貯まった金額に応じて投資信託や株式などを購入してもいいかもしれない。例えば「10万円貯まるごとに投資信託を購入していく」といったやり方だ。

さまざまな工夫を凝らしながら2020年は貯蓄体質になって預貯金・投資商品をバランスよく保有し、資産を増やしていくことを考えてみてはいかがだろうか。

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