世界のお金の流れが変わる?ESG投資とは

2018年5月28日

「長期投資=ESG投資」が世界的な潮流に

長期投資の目的は、長く安定的なリターンを得ること。そのためには、企業の持続可能な成長を長期で見通すアプローチが必要です。いま、長期投資の新しい潮流としてESG投資が注目されています。E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の3つの観点から企業の成長性を評価し、投資する新しい手法です。なぜESG投資が長期投資に有効なのか、ESG投資の概略やメリットなどについて見ていきましょう。

1.これからの長期投資で大切な視点とは?

これからの投資は財務情報だけでは不十分

長期投資で大切なことは、投資先企業が持続的・安定的に成長する可能性があるか、長期的な投資パフォーマンスがあるかなどを、分析し判断することです。

従来、企業の成長性を分析する材料は財務情報が中心でした。しかし、時代が大きく変わろうとしている今、10年、20年先の長期投資のためには、分析対象を“非財務情報”に広げる必要があります。

なぜならば地球環境の変化、法規制や制度の変更、労働市場の変容、新しい人権上の課題、それらに伴う企業への社会的要請の増大など、将来の企業の存続と成長に影響を与えるさまざまな要素が、財務情報では読み取れないリスク要因となるからです。例えば環境や法規制、人権、労働上の問題への取り組みをおろそかにする企業の製品は不買運動が起こるなどして業績が落ち、企業の成長のブレーキとなるリスクが考えられます。

長期にわたって、社会と向き合い、貢献し、共に成長するといった企業の姿勢が、最終的に業績を上げていくという時代になります。そのような企業に投資するためには、非財務情報を積極的に分析していく必要があるのです。

非財務情報の中心となるのが、いま注目されているESGという3つの要素です。

2.「ESG」が注目される理由とは?

企業の成績表は「ESG」で決まる

ESGとは、環境(Environment、例:地球規模の環境)、社会(Social、例:労働者の雇用や安全)、ガバナンス(Governance、例:社外取締役の独立性、情報開示体制)の頭文字です。これを冠したESG投資は、この3要素に注目し、企業がどの程度それらの課題に取り組んでいるかを投資の意思決定に考慮する手法です。

企業の成績表である財務諸表は企業活動の結果です。その結果を生み出す要素は、従来であればノウハウや技術などが注目されていました。ところが地球環境を含め、社会が大きく変化しようとしている今では、環境問題への取り組み(E)、労働問題への取り組み(S)、企業統治への取り組み(G)が重要な要素になっています。よって、財務分析や従来の定量的な企業分析だけでなく、ESGの3要素への取り組みについてもしっかり分析しなければ、長期的な企業のパフォーマンスは計れないというのがESG投資の考え方です。

世界のお金の流れはESGへ

ESG評価の高い企業は財務リスクも低い傾向にあるという認識は、世界中で広まりつつあります。2015年、パリ協定で平均気温の上昇を2℃以下に抑制する「2℃目標」が設定されました。温室効果ガスの排出規制が大幅に強化されたことで、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を積極推進する企業はESGの評価が高くなります。

一方で、使用が制限される化石燃料を資産計上している企業はESG評価が低くなり、企業価値が低下する可能性があります。2016年には、石油事業で財を成した米財閥ロックフェラー家が管理する基金「ロックフェラー・ファミリー・ファンド」が、化石燃料関連への投資を中止することを発表し、世界を驚かせました。

世界的に、投資判断の流れはESGへと大きくシフトしています。

3.ESG投資のメリット

これからの長期投資に適しているESG投資

ESG投資への関心か拡大した契機の1つに2008年のリーマン・ショックがあります。この危機で露呈した「ショート・ターミズム(短期主義)」に対する強い反省がESG投資への関心を生み出しました。

ESG投資は、長期的かつ持続的な投資パフォーマンスを期待することから、短期的な相場の変動や事業環境の変化に惑わされることがありません。また、ESG要因を考慮することで、伝統的な財務分析だけでは見過ごされがちな環境・社会・人権など、将来リスクの前兆を見つけ出すこともできます。

「三方よし」に通じるESGの理念

ESG投資は、従来からあったSRI(社会的責任投資)は、倫理投資と同義ではありません。倫理投資はリターンよりも倫理的成果を優先します。それに対しESG投資は、パフォーマンスを犠牲にしたり、投資機会を狭めたりすることなく、リターンを追求します。つまり、ESG投資は投資家にはリターンを、企業には成長を、そして環境(E)・社会(S)・企業統治(G)にはよい影響を、結果としてもたらします。

かつて江戸時代から明治にかけて、菅笠に縞の道中合羽のいでたちで全国を行脚した近江商人には、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という「三方よし」の理念がありました。ESG投資がめざす理念は、まさにこの「三方よし」に通じるものです。

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